使い勝手向上の「電子ペン」は本格普及するか SNSと好相性、市場は世界規模で拡大中

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電子ペン付きスマホの代名詞・サムスン「Galaxy Note」シリーズのペンは日本メーカーが製造している(記者撮影)

スマートフォンやタブレット上で絵を描くといった、クリエーティブ用途以外ではあまり普及が進まなかった電子ペン(スタイラス)。しかし今、その活躍の場が広がりつつある。

そもそも電子ペンとは、スマホやタブレットなどを指より細かく操作するのに有効なツール。その種類はさまざまだ。100円均一ショップでも売られている、ペン先に丸い導電性繊維や導電性ゴムが付いているだけの「タッチペン」と呼ばれるものもあれば、電池を内蔵し、対応するディスプレーで使えるものもある(米アップルのiPad Pro用「Apple Pencil」や米マイクロソフトのSurfaceシリーズ用「Surface Pen」など)。

さらに、韓国サムスン電子の大型スマホ「Galaxy Note」シリーズの付属ペンのように、電池は内蔵せず、電磁波の送受信で操作するものもある。

世界の市場規模は5年で倍増へ!

電子ペンの市場規模は世界で約3000億円(2016年)とされ、2021年までの5年間で6000億円規模に倍増すると予想されている(米タッチディスプレーリサーチ調べ、タッチペンは除く)。この急成長の背景には、機能面の進化と昨今の人気アプリとの親和性の高さから「電子ペンを生かせるシーンが今後増える」という期待がある。

機能面での大きな進化は、手書き入力文字のテキストデータへの変換だ。以前は手書きで文字を入力した場合、画像データやPDFデータとしてそのまま保存される場合がほとんどだった。

しかし、最近では文字認識エンジンの開発が進み、手書き入力文字のテキストデータへの変換精度が向上。Galaxy Noteやソニーの「Xperia」では手書き入力モードが選べるほか、「Google手書き入力」や「7notes」、「Nebo」、「Inkspace」といった手書き文字のテキスト化アプリも増えている。

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