リニア実現の起爆剤か、日本車両を買収するJR東海の真意

リニア実現の起爆剤か、日本車両を買収するJR東海の真意

「彼らが本気だったことがこれではっきりした」。リニアの実現性には半信半疑の同業者たちも、今回の買収劇には息をのんだ。

JR東海は約260億円で車両メーカーの日本車両製造を買収すると発表。TOB(株式公開買い付け)で持ち株比率を50.1%(現在1.8%)にする。その狙いはリニア中央新幹線計画(2025年度開業予定)のスピードアップだ。「当社には開発と保守部門はあるが、真ん中の製造を持っていない。リニアが車両の段階に入っていくことも考慮して今回の提携となった」(松本正之社長)。

1962年から始まった「夢の超高速鉄道」の開発は、半世紀を経て実用化段階へ入る。その中心が車両分野だ。従来の高速鉄道とは別物であるリニア新幹線では、JR東海と一心同体に動くメーカーが必要不可欠となる。

メーカー買収は国に対するアピール材料にもなる。国土交通省は目先の整備新幹線の推進を最優先せざるをえず、リニアの具体化を後回しにしてきた。一方、JR東海では同計画に自前で5兆1000億円の巨費を投じると昨年末に表明。今年2月にはトンネル掘削に必要な地質調査を開始した。そして今回のメーカー買収劇。「外堀を一気に埋め、腰の重い国を動かす戦略だろう」(業界関係者)。

東海道新幹線の輸送力はほぼ限界に達している。次の成長マシンを早急に準備したい同社にとって、2025年は目前に迫るタイムリミットに映っているようだ。

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