「いい子」「悪い子」すべては"親の決めつけ"だ 「リフレーミング」で短所が長所に変わる

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子どもの長所を見つけるにはどうしたらいいでしょうか(写真 : プラナ / PIXTA)

うちの子はだらしがない。自分がやりたいことはやるけど、嫌なことはやらない。宿題もやらずに平気で遊んでいる。たとえ宿題をやったとしてもいい加減で手抜きがすごい。マイペースで何をやっても遅い。落ち着きがない。子どもが小さかったときはかわいがられたのに、最近はしかってばかり。「子どもをほめよう」と言われても、いいところが見つからない――。

長年、小学校の教師として数多くの子どもと親に接してくる中で、親たちのこういった嘆きをたくさん聞いてきました。

親というものは、どうしても、わが子の短所ばかり目についてしまうようです。しかし、短所ばかり見て指摘していても、いいことはありません。子どもの自己肯定感を下げ、中長期手に見てむしろマイナスのほうが大きいのです。

そこで、私がお勧めしたいのが「リフレーミング」という手法です。人は誰でも一定の枠組み、つまりフレームを通してものを見ています。リフレーミングとは、そのフレームを一度外して、別のフレームで別の角度から見直してみるということです。そうすると、短所に見えていたものが、実は長所でもあったということに気づくことができます。

やるべきことを後回しにしてしまう子は

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たとえば、宿題、お手伝い、翌日の支度など、やるべきことを後回しにして遊んでしまう子がいたとします。これは親にとっては不都合で不愉快なことなので短所に見えます。でも、そのフレームを一度外して、別のフレームで別の角度から見直してみると、楽天的、プラス思考、大らか、図太い神経の持ち主ということかもしれません。実際、やるべきことをやってなくても平気で遊びを楽しめるというのは大したものであり、誰にでもできるわけではないのです。

こういう子が大人になったとき、たとえば何か大きなプロジェクトに取り組んだとしたら、ストレスやプレッシャーに潰されることなく、多岐にわたるタスクを楽々こなしていけるかもしれません。翌日のプレゼン資料が完成していなくても、事務処理が途中でも、それらのストレスに潰されることなく、得意先との会食では笑顔で楽しくおしゃべりしたりすることができるはずです。また、プライベートでも、自分のやりたいことをどんどんやっていけるようになるでしょう。楽観的な性格のおかげで、新規のビジネスを思いついて果敢に挑戦したりということもできるかもしれません。大らかなので、人の失敗にも寛容でいられるということもあるでしょう。

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