日経平均下落で覚えておきたい「3つの価格」 テクニカルで見ると日本株はまだ下がる?

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それは以下のとおりだ。

2016年2月安値1万4952円/下落理由:原油相場の急落など)
90日(2016年6月安値1万4952円/同:英国のEU離脱決定)
92日(2016年11月安値1万6251円/同:米大統領選)
106日(2017年4月安値1万8335円/同:/仏大統領選懸念)

8月17日時点で、日経平均株価は4月安値(1万8335円)からすでに84日経過している。90~106日のボトムサイクルを当てはめると、底入れメドとしては8月25日~9月18日が算出される。

日経平均が安値をつける場合、覚えておきたい3つの価格

足元では北朝鮮情勢に対する警戒感がいったん後退したものの、9月以降は9日北朝鮮建国記念日、また19~20日には米FOMC(連邦公開市場委員会)、24日には独総選挙を控える。最長で9月18日あたりを底入れメドとする上記の日柄分析とも、ほぼ合致している。もしこの期間に安値をつけるとしたら、以下の3つの価格がメドになるかもしれない。

①1万9340円(2017年3月月中平均)②1万9283円(2017年4月安値1万8335円から6月高値2万0230円までの上げ幅の半値押し)
③1万9114円(2016年末の終値)

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以上のことから、日本株は底入れ時期と下値のメドに徐々に近づきつつあるのではないか。

ただ、市場全体の過熱感を推し量る「騰落レシオ」はな102.57となお高く、もう一段安の局面が訪れた場合にはじめて、押し目買いのタイミングになるかもしれない。米朝関係の緊張緩和に加え独選挙など欧州政治等が波乱なく通過すれば、日本株の見直し機運も高まると思われる。

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中村 克彦 みずほ証券 シニアテクニカルアナリスト

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なかむら かつひこ / Katsuhiko Nakamura

IFTA国際検定テクニカルアナリスト(MFTA)、日本テクニカルアナリスト協会(NTAA)評議員。

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