中国富裕層が日本を「物足りない」と思うワケ

訪日富裕層の「若者世代」は何を求めているか

家族の資産を増やせない「紈袴(がんこ)子弟」に分類される彼女も、日本が大好き。富裕層の友達が、日本の化粧品を使っていたり、日本のファッションを好む影響のようだ。情報を収集しているうちに、「シンプルで洗練されている」「食事が美味しい」「かわいいものがいろいろある」「(おカネがあれば)日本で最高級のおもてなしを楽しめる」と、日本に関心を持つようになった。

甘やかされてはいても、傍若無人ではない

そこで、普通の観光ビザでなく、父のビジネス仲間の計らいで、ビジネスの訪問ビザを取得。今回は、大手町に「星のや東京」ができたので、早速父の友人の手を借りてスイートルームを予約し、親子で来日した。今まで何度も日本に来たが、東京の真ん中にありながら、静かな雰囲気で癒やされる「禅」を感じるホテルは最高だったという。

来日中、東京のミシュラン星付きレストランでの食事を重ね、中国富裕層の友人と日本の富裕層の間でひそかに名高い料亭に行ったりした。母親はフランスの最高級宝飾品を爆買い。Bさんは一枚のプロフィール写真を撮るため、300万円以上の和服を購入。その一方では、気に入ったドラッグストアの約400円の日焼け止めや東京ばな奈のお菓子なども一般観光客と同じように大量に買い込み、花火大会に感動したりもした。

10日間滞在で、親子の総消費額は2000万円を超えたようだ。日本はどうだったかと聞くと、「こんなにきれいで静かで品がよいところは日本しかないね。また遊びに行きたいわ。ただ、長くいると、やはり欧米や中国のほうが楽で自由だわ。買い物も(私の身分にふさわしい)いいものがちょっと足りないかも。でも、父の友達の代官山にある一軒家がよかったので、東京でもマイホームができたらいいな」と言う。

AさんとBさんは、どちらも来日中国人富裕層の第2世代の典型例だ。正反対のようだが、共に親世代より日本に高い関心を持ち、理解が深い点では共通している。自分らしさを程よく主張するおしゃれをし、英語は母国語並みで、マナーよく振る舞っている。

よく想像されがちな、金持ちだけど品がなく、時に強引な中国人の大富豪のイメージとは懸け離れている。それでいながら、消費額のケタは、やはり一般人とケタ違いでもある。中国富裕層のインバウンド戦略では、彼ら「富二代」が何を求めているのかを探ることが必要な時代だ。そして時にはその「富二代」をさらに細分化してペルソナ(顧客像)を考え、彼らをターゲットにするマーケティング戦略を策定していくことが重要になっていくだろう。

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