「産休・育休」中の収入はどこまで下がるのか 17年10月からは2歳まで育休給付金の対象に

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出産・育児に出費がかさむにもかかわらず、無給となる場合が多い産休・育休中。ただ、制度をうまく利用すれば、手厚い給付金をもらうことができます(写真:EKAKI / PIXTA)

妊娠、出産後も仕事を続ける女性は増えています。ただ、産前産後休業(産休)や育児休業(育休)中は「無給」となる会社が多く、自分の収入がどこまで減るのか、気になる人も多いでしょう。ましてや、出産や育児には、何かと出費がかさむものです。そこで今回は、出産や産休・育休に関連した給付金についてご紹介します。

出産育児一時金は、赤ちゃんの数×42万円

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はじめに、出産にあたってもらえるおカネについて見ていきましょう。そもそも、正常な妊娠・出産の場合は、病気でないため健康保険証を使うことができません。全額が自費となるため、出産費用はかなりの高額に……。統計によれば、妊婦合計負担額の平均値(病院、診療所、助産所の合計)は、50万5759円となっています(公益社団法人 国民健康保険中央会 平成28年度「出産費用」)。

そこで心強い味方になるのが、健康保険制度からもらえる「出産育児一時金」です。健康保険の被保険者(女性社員が出産するときには本人)、およびその被扶養者(専業主婦家庭の場合は、被保険者である男性社員の妻)が出産した場合、加入する健康保険組合へ申請すると、1児につき42万円が支給されます(注:産科医療補償制度に加入されていない医療機関等で出産した場合は40万4000円)。胎児数分が支給されるため、双子の場合は84万円となります。健康保険組合によっては、「付加給付」として、さらにおカネが加算される場合がありますので、ぜひご確認ください。

申請方法は3つあります。代表的な方法は、健康保険組合から出産育児一時金を医療機関等へ直接支払う仕組み、いわゆる「直接支払制度」です。医療機関等に直接支払制度を利用したい旨を申し出ることで、本人に代わって申請をしてくれるので、とても便利。この場合、出産費用としてまとまったおカネを事前に用意する必要がありません。出産費用が42万円を超える場合には、その差額を支払えばよいということになります。また、仮に実際にかかった出産費用が42万円を下回った場合には、申請すれば差額を受け取ることができます。

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