ミスチル×ドコモ「映画並み」CM感動のヒミツ 7月後期の「CM好感度ランキング」一挙公開!

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【11位~30位】

19位のアサヒ飲料『三ツ矢サイダー』の新CMには、今年でデビュー38年となるサザンオールスターズ(以下、サザン)が起用された。「この国のさわやかさが、好きだ。」をキャッチコピーに、夏の海辺の階段に座るサザンの5人のメンバーが、『三ツ矢サイダー』を片手に、このCMのために書き下ろした特別な一曲「弥蜜塌菜のしらべ」を歌う。ちなみに、タイトルの漢字部分の読み「やみつ」「だーさい」を“業界”風に逆から読むと「みつや」「さいだー」となり、サザンらしいユーモアにあふれている。軽快なテンポのコーラスワークと夏らしいさわやかな曲調には、「三ツ矢サイダー」と「サザンオールスターズ」の38年の時をつなぐ絆が表現されているという。

サザンのCM初出演は「三ツ矢サイダー」だった!

実は、サザンが初めて出演したCMは『三ツ矢サイダー』。CM映像には38年前のサザンのメンバーの懐かしい映像がインサートされ、38年の時を経てサザンと「三ツ矢サイダー」が再会する演出となっている。放送開始日となる7月17日は海の日。海が似合うサザンにふさわしく、「夏とサザンとサイダーと」篇の一度限りの“スペシャル75秒ver.”CMがオンエアされた。

ミスチルとコラボした25周年記念の『NTT DOCOMO』と、38年前のサザンと再会した『三ツ矢サイダー』はCMの企画自体が特別な意味をもつ。2つのロングセラーブランドとスーパーバンドのコラボが、期せずして同日にスペシャルCMを放送したのも感慨深い。どちらも企業が伝えたい思いや心意気は、音楽と映像の力によって視聴者自身のストーリーとして共感され、驚きと感動を与えた。心を動かされた視聴者は、SNS等で拡散して思いを共有しようとする。

見る人の心情に寄り添おうとするストーリーと映像コンテンツとしてのクリエーティブは、テレビとWebの境界をたやすく超えていくようだ。

関根 心太郎 CM総合研究所 代表

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せきね しんたろう / Shintaro Sekine

1973年生まれ。1999年株式会社東京企画/CM総合研究所に入社。システム開発・データベース構築の責任者を経て2014年より現職。消費者3000人を対象としたCM好感度調査を中心に、テレビCMの広告効果測定および研究分析を実施。このほか企業へのコンサルティングや情報提供を通して、広告活動の最適化に向けた課題解決のサポートを行っている。

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