金商法改正を前に、野村証券が低金利の新型証券担保ローンを開始

金商法改正を前に、野村証券が低金利の新型証券担保ローンを開始

来年予定される金融商品取引法の改正により、証券と銀行の規制上の垣根(ファイアウォール)の緩和も見込まれている。これを先取る格好で、証券最大手の野村証券は、証券と銀行のサービスを融合した新しい金融商品の提供を7月末から開始した。「野村Webプラスローン」と呼ばれる証券担保ローンがそれで、業界最低水準の金利とインターネットを介した手続きの簡便さが特徴だ。

同ローンは、野村証券がグループの野村信託銀行と組んで提供するもの。野村証券と取引があり、株式や債券、投資信託などの有価証券に投資している個人顧客(法人は対象外)が対象で、有価証券を担保にして最大5000万円までのローンを、短期間の審査で提供する。野村の営業支店に出向かなくても、手続きはインターネット上で可能だという。

この野村のWebプラスローンは、資金使途は問わず、適用金利は短期プライムレートプラス年1.2%(=現在のレートで3%前後)。野村を含め、一般的な証券会社は、たとえば日本証券金融や大証金などと組んで証券担保ローンを提供しているが、その金利は年5~6%前後。「ノンバンク系の証券担保ローンに比べてかなり割安」(酒井尚士・信託銀行事業部銀行事業課課長)だという。最短で、申請から翌営業日にローンの借り入れもできるという利便性もウリだ。

野村は同サービスを、「取引顧客の資産運用策の一環」(皆川正敏・信託銀行事業部銀行事業課長)として位置づけている。価格変動リスクが大きい有価証券の担保価値の判断などに関する豊富なノウハウを生かし、顧客に利便性を提案。傘下に信託銀行を持つ証券会社として、同業他社だけでなく、銀行などの競合金融機関と差別化し、本業である有価証券を中心とした資産管理業務の拡大につなげたいというのが狙いだ。

一方で、このローンは、担保に入れた有価証券の市場価格が大きく下落して担保価値が不足した場合は、期日までに追加の担保を差し入れないと強制売却の対象となることもある。

野村によれば、7月末のサービス開始から「顧客の反応は良好で、残高も順調に積み上がっている」(野村ホールディングスグループ広報部)という。銀行と証券の融合が進む中で、新たな試みとして注目される。
(武政秀明記者 =東洋経済オンライン)

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