高島屋の子どもフロアが中国人で賑わうワケ 大阪なんばで日本製の「ほ乳瓶」が大人気

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高島屋大阪店のベビー服売り場では、ブランドの垣根を外し商品軸に再構成した(記者撮影)

”ほ乳瓶効果”は子ども服売り場にまで波及している。ほ乳瓶を買った顧客が、授乳のできるワンピースや骨盤ベルトなどを求める姿が目立つという。

同店のベビー服売り場は、2016年9月に「ハローベビーサロン」として改装したばかり。改装では、子供服を展開する「ミキハウスファースト」や「赤ちゃんの城」などブランドごとに分かれていた売り場を商品ごとに再構成し、たとえば「おでかけ」や「出産準備」といった生活シーンに合わせて買いやすい売り場とした。

日本人向けの売り場が支持を集める

また、売り場にはベビーコンサルタントと呼ばれる高島屋の社内認定資格をもった社員が常駐し、より専門的な接客ができるようになっている。

あくまでこの売り場は日本人の顧客向けに再設計したもの。その売り場が、日本人だけでなく、結果的に中国人客の支持も受けている。

こうした傾向は化粧品売り場にも見られるという。「日本人が買っているところ、日本人と同じ接客を受けて商品を購入したいという訪日客が増えている」と、店内営業担当の西辻正美副店長は話す。

単に商品を買いにくるのではなく、日本の百貨店での買い物自体を楽しみたいーー。訪日客が「モノ消費」だけを求める時代は終わったのかもしれない。こうした訪日客の変化を、百貨店をはじめとした販売側はしっかりと認識する必要がありそうだ。

菊地 悠人 東洋経済 記者

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きくち ゆうと / Yuto Kikuchi

早稲田大学卒業後、東洋経済新報社に入社。流通・小売業界の担当記者を経て2017年10月から東洋経済オンライン編集部。2020年7月よりIT・ゲーム業界の担当記者に。

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