家計簿をつけても貯金できない人のNG癖5つ ライフリテラシーが低い場合もある

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FPに相談する方々はどちらかというと現状に余裕があって、「将来については大丈夫だと思うが、念のため診断してもらいたい」と考えている人がほとんどです。しかし、改めて計算すると老後の資金が不足するケースがほとんど。となれば、FPに相談する意思も、金銭的なゆとりもない世帯ではこれより先におカネが枯渇するケースが考えられます。

日本では金融リテラシーが低いと一部の知識層で叫ばれていますが、そうではなく、ライフリテラシーが低く、自分の人生を客観的に見つめることできないし、見つめる機会が存在しないのだと感じずにはいられません。

家計簿をつけて自ら節約できる人は少ない

今のままの生活を続けてしまっては、自分が思い描くような、優雅な老後が訪れないことがわかるはずです。そして、ここで危機感を持って初めて、今の生活が改善されるのです。まずは、自分が将来どんな暮らしをしたいかを真剣に考え、そういう暮らしをするにはどうしたらいいのか、というライフリテラシーを高めることが大切です。

ちなみに、先述のアンケートでは、家計簿をつけてから、自らの努力で節約を成し遂げたのは全体の3割でした。つまり7割の人たちにとっては、家計簿は無意味だったということです。

FPが協力すれば、この割合は6割ほどになるかもしれません。が、節約が必要な人ほど相談には来ない。50代になってようやく気がついたときには、挽回不能になっている――というケースも少なくないのです。

家計簿と聞くと古臭いイメージがあるかもしれませんが、最近ではアプリなどを使って家計を管理することも可能です。自分に合った方法を探して、自らの支出を把握する。同時に自分の将来をしっかりと描いて、それを実現するにはどうしたらいいのか、よく考えておカネを使ってください。

高橋 成壽 ファイナンシャルプランナー

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たかはし なるひさ / Naruhisa Takahashi

寿FPコンサルティング株式会社代表取締役。慶應義塾大学総合政策学部を卒業後、金融系のキャリアを経てFPとして独立。お金を増やす、お金を守るという視点でFPサービスを提供。30代40代の財産形成、50代60代の資産運用、70代以降の相続対策まで幅広い世代に頼られている。「ライフプランの窓口」を企画運営。著者に『ダンナの遺産を子どもに相続させないで』(廣済堂出版)がある。日本FP協会認定CFP。

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