孫社長「買収は近く意思決定する、話せない」 ソフトバンクは「10兆円ファンド」で大幅増益

拡大
縮小
ソフトバンクの巨額買収、巨額出資は続くのか。孫社長はさまざまな可能性を語った(撮影:尾形文繁)

8月7日、ソフトバンクグループが2018年3月期の第1四半期(4〜6月期)決算を発表した。売上高は前年同期比2.8%増収の2兆1860億円にとどまったが、営業利益は同50%増益の4792億円だった。

今期からソフトバンク・ビジョン・ファンド(以下SVF。ソフトバンクが主導し、テクノロジー企業を中心に投資するファンド)が新規連結となり、米半導体大手NVIDIAの評価益を中心とするセグメント利益1052億円が増益に貢献した。

SVFは主にインターネット関連に出資する10兆円規模の巨大ベンチャーファンドで5月に初回クロージングを終えたばかり。ソフトバンクの出資比率は2割台にとどまるが、運用をソフトバンクが担当するために支配力基準で連結対象となっている。

スプリントは周波数の交換差益で増益に

決算はSVFの影響を除いても17%の営業増益だった。増益を牽引したのは米携帯大手のスプリント。契約数は微増程度だったが、コスト削減と一部の周波数を他社と交換したことに伴う交換差益534億円が効いた。

孫正義社長は「何か粉飾決算をしているのではないかと思いたい人はたくさんいるかも知れないが」と前置きしつつ、「スプリントは利益成長を牽引する会社に生まれ変わってきている」と目を輝かせた。スプリントは通期の営業利益が21億〜25億ドル(前期は17億ドル)の見通しとした。

なお、国内通信はソフトバンクのサブブランド「ワイモバイル」が伸びたことによる単価下落や販促費の積極投入で8%減益、ヤフーはほぼ横ばいだった。国内通信は中長期成長に向けて顧客基盤の拡大に費用をかけるとして「セグメント利益が前期を最大7%下回る可能性がある」という。

次ページヒントになることはいえない
関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【浪人で人生変わった】30歳から東大受験・浪人で逆転合格!その壮絶半生から得た学び
【浪人で人生変わった】30歳から東大受験・浪人で逆転合格!その壮絶半生から得た学び
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT