世界のエリートが本の「多読」をしないワケ

「使い倒す」を意識したほうが効果的

アメリカの学生と日本の学生に違いがあるとしたら、それは「読書量」ではなく…(写真:Sergiy Tryapitsyn / PIXTA)
世界中から優秀な人物が集まり、しのぎを削る最高峰ビジネススクール、ハーバード。その学生は、古今東西、大量の本を読みあさっている、そんな「読書家」というイメージがあるのではないでしょうか。しかし、元・サンリオの常務で、現在はLINEの社外取締役やスタンフォードの客員研究員を務める鳩山玲人氏の見方は異なります。日本と海外の学び方の違いを元に、自身も実践する「必ず結果につなげる」本の読み方を紹介します。

「日本の学生は本を読まない」は本当か?

ネット上のコラムで、日本とアメリカの大学生を比べた実態調査を見掛けました。

「日本の大学生は4年間で100冊しか本を読まないが、アメリカの大学生は400冊読む。ハーバード大学やエール大学では1000冊は読む」といった趣旨のものです。

調査の真偽はわかりませんが、私の実感は少し違います。ハーバードでもスタンフォードでも、ビジネススクールの学生に関しては、日本人も外国人も、どちらも、さほど本を読んでいません。

私は、ハーバード・ビジネス・スクール(以下、HBS)に2年間留学し、現在はスタンフォード客員研究員を務める立場となりましたが、その印象は変わりません。彼らはほとんど本を読まない。より正確にいうならば、本を読むことを目的とせず、本をどう使うか、つまり実践に重きを置いているのです。

HBSの授業の特徴は、ケースメソッド、つまり事例研究にあります。ケースメソッドとは、実際に起きた経営事例を課題にして、ディスカッションを行う手法です。企業で起こった事例(=ケース)を基に、経営管理・労務管理などの具体的な解決策を導き出します。

ケースメソッドでは、ケースが書かれた資料を教材として使用します。資料には実際に起きた事例と、その事例を構成する事実情報が、15〜25ページにわたって書かれています。ですが、それ以上の分析、解釈、授業で学ぶべき事項(知識や理論など)はいっさい、記されていません。学生は、事前に資料を読み込み、ケースを分析・検討し、具体的な解決策を準備したうえで、対話中心の授業に臨みます。

次ページ「本の使い方」に違いがある
関連記事
トピックボードAD
人気連載
トレンドライブラリーAD
  • コメント
  • facebook
0/400

コメント投稿に関する規則(ガイドライン)を遵守し、内容に責任をもってご投稿ください。

アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • いいね!
トレンドウォッチAD
アジアから訪日客が殺到<br>大阪・ミナミの熱気と困惑

4年で5倍に外国人観光客が増えた大阪。中でも道頓堀や心斎橋など大阪・ミナミの中心エリアにアジアからの訪日客が押し寄せている。リピート客も多い。ミナミの魅力に迫る。