(続報)アーバンコーポレイションは資金繰りつかず民事再生手続き開始へ

(続報)アーバンコーポレイションは資金繰りつかず民事再生手続き開始へ

アーバンコーポレイションは、13日に東京地裁に民事再生手続きを申し立て、受理された。負債総額2558億3200万円は今年に入って最大。8月14日から東証の整理ポストに移り、9月14日に上場廃止となる。

同日午後7時から行なわれた会見で、房園博行社長は「3月以降さまざまな噂が出て金融機関の態度がより一段と硬化」したほか「6月以降は他社と資本提携によるアライアンスを追求してきたが、不動産投資市況の悪化や上場中堅デベロッパーの民事再生手続きの申し立てが相次いだこともあり、アライアンスの合意が出来なかった」と言う。また直接、民事再生手続きの申請を決めた理由については「2009年3月期の第1四半期(4~6月)業績のあずさ監査法人レビューで”不表明”の結論が出ることがはっきりしたこと」と「返済期日が到来する8月14日から月末までの約100億円の資金繰りがつかなくなったため」としている。

 このため当初、14日に予定されていた2009年3月期の4~6月期業績の発表は1日前倒しされた。実際、この間、6月に日本格付研究所(JCR)による長期債務の格下げがあったこともあり、同社の資金繰りが悪化していったのも事実。そのため、資金調達を急いで資産の売却を加速させた。例えば、08年3月期末の同社の棚卸資産は4377億7800万円だったが、これが6月末では3372億9700万円と、わずか3カ月で1000億円も減少している。が、「事業計画で想定した価格では売却出来なかった」という。4~6月期の営業損益は前年同期の311億円の黒字から314億円の営業赤字に転落している。
 
 会見の質疑では、同社と反社会的勢力とのつながりやBNPパリバと取り交わした転換社債型新株予約権付社債に付随したスワップ契約に伴う損失に関する質問も目立った。反社会的勢力とのつながりについて、房園社長は「過去5年間の取引先約1万件を外部の調査機関に調査を依頼。事故などを起して取引上に問題があるところが数社あった以外に反社会的勢力と思われる取引先はなかった」としている。また自身の反社会的勢力との交友関係等も否定した。

BNPパリバとのスワップ契約については、同社が6月26日開催の取締役会でBNPパリバに対して転換社債型新株予約権付社債300億円の第三者割当増資を実施し、当面の資金手当てを確保したかの印象を与えた。が、民事再生を発表した8月13日に出されたリリースでは、調達資金は「割当先との間で締結したスワップ契約に基づく割当先への支払いに一旦充当し、同スワップ契約に基づく受領金を」債務返済に使用すると、6月の社債発行のリリース時には無かった文言が入ったいた。これによると、アーバンは300億円を第三者割当資金でBNPパリバから調達する一方、スワップ契約でBNPパリバに対して300億円支払い、その後、各営業日に加重平均株価の90%に一定の株数を乗じた金額をBNPパリバから支払いを受ける形にしている。

アーバンは株式の希薄化よりも資本充実を優先したというが、この仕組みだと株価が下がれば、当然、BNPパリバからアーバンへの支払いは少なくなる。このスワップ契約が、この間のアーバン株の急落原因のひとつになったと思われる。

が、同社の民事再生申請で契約は停止。このため、同社はBNPパリバの未行使分150億円のうちの未入金分58億円を営業外損失として追加計上している。一見複雑な仕組みだが、資金繰りのための見せ掛けのような印象は拭えない。

アーバンの今後について、再生のメドがついた段階で社長を含む役員全員が辞任する。その再生について房園社長は「不動産系もしくは流通系のスポンサーを探すことになる」としている。
【日暮 良一記者】

(株)東洋経済新報社 四季報オンライン編集部
(撮影:尾形文繁)

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