悪さ重ねた少年が40代で達した質実な稼ぎ方

カンボジアで起業、コアな電子書籍をつくる

お金持ちの家はとてつもなくでかい。2012年、プノンペン(写真:クーロン黒沢)

一方で蓄財はできない性格で、あればあるだけ使いたくなるという。遊興に浪費するのではなく、仕事に使う設備に投資したくてたまらなくなる性分。動画コンテンツを作る計画があれば、カメラ機材を大量に買い込み、計画を進めざるをえない方向に自分を追い込んだりもした。

「子どもができて安定志向になりましたけど、それでも貯金は難しい。昔、道で年を取った占い師に呼び止められて『アンタ、今月暮らす分のカネには一生困らないよ』って言われたことがあって。がっかりしましたけど、今、なんとなく納得しています(笑)」

パスポートの更新手続きで最初に帰国した2000年以来、今回も含めて何度か日本の土を踏んでいるが、望郷の念は特に湧いてこないという。プノンペンに家庭を持って腰を落ち着けるようになったことも大きいだろう。加えて、生活環境の差が年々薄くなっていることも関係しているかもしれない。

2012年、プノンペンは建築ラッシュだ(写真:クーロン黒沢)

「プノンペンもずいぶん発展しましたからね。ネット環境も5年くらい前に普通に使える水準になって、2年前からYouTubeも普通に見られるようになっています。本は10年前からアマゾンで買うようになりました。ただ、最近はキンドルがあるので紙の本を買うことはほとんどなくなりましたね」

アンダーグラウンドな空気から一転

訪れる日本人も変わった。

「1990年代はクスリや児童買春目当てで訪れる人が多かったですが、2010年ごろから純粋に儲けに来たという人が主流になった印象があります。アンダーグラウンドな空気からビジネスチャンスタイプに、という感じです」

雑貨屋さんでも両替できます(写真:クーロン黒沢)
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