安倍内閣に集まった寝首を掻きかねない面々 支持率浮揚を狙って異例の抜擢をしたが…

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第3次安倍第3次改造内閣が発足 首相官邸で記念撮影(写真:ロイター/アフロ)

「先の国会では森友学園への国有地売却の件、加計学園による獣医学部の新設、防衛省の日報問題など様々な問題が指摘され、国民の皆様から大きな不審を招く結果となった。そのことにつき、冒頭まず深く反省し、国民の皆様にお詫び申し上げたいと思う」

ここ最近の内閣支持率の下落など、やはり「政権最大の危機」と感じていたのだろうか。第3次安倍第3次改造内閣の閣僚名簿が発表された8月3日、安倍晋三首相は会見の冒頭で国民に謝罪した。

これまで口にしたくなかった「森友」と「加計」の名前。それをわざわざ言ってみせたのは、みずから「結果本位の仕事人内閣」と名付けた人事で支持率回復を図りたいためだ。

初入閣は6人

再起をかけて任命した19名の閣僚のうち、初入閣は齋藤健農林水産相、中川雅治環境相、小此木八郎国家公安委員長、江崎鉄磨沖縄及び北方領土担当相、松山政司一億総活躍等担当相と梶山弘志地方創生等担当相の6人だ。このうち斎藤大臣は当選3回の大抜擢だが、改造前の山本有二農水相と同じく、“石破派からの一本釣り”という意味もある。

特徴のひとつは宏池会(岸田派)からの抜擢だ。同派からは上川陽子法務相、林芳正文部科学相、小野寺五典防衛相と松山大臣の4人が選任され、改造前(岸田文雄外務相兼防衛相と山本幸三地方創生等担当相の2人)と比べて倍増したことになる。当初は「岸田派からは1人増加の3人」と言われていただけに、同派をおもんぱかる姿勢は明白だ。

岸田氏は今回、自民党政調会長に就任して党務に携わることになった。岸田派からの登用を手厚くしたのは、岸田氏への“禅譲”に安倍首相が過分なほど配慮したためだろう。

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