男性のニオイ対策、「直塗り」が人気化のワケ 毛の多い男性でもしっかり塗り込める

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「メンズコスメティックス全体を見ると、デオドラント剤を中心としたボディケアの商品市場は2012~2016年の5年で約1.3倍に伸長しています。その中でも、急に伸びてきているのが“直(じか)塗りデオドラント”というカテゴリー。2017年4~6月の実績は前年比+51%と、非常に好調です」(奥氏)

ここで、デオドラント商品の主なタイプを紹介しておく。一般的によく知られているのが、スプレータイプだろう。そのほかウェットティッシュのようなペーパータイプや、手に取って塗り込むクリームやジェル状のものもある。上に挙げたのは主に体用だが、足専用のものもある。また、制汗剤ではないが、ボディソープやシャンプーにニオイケアの機能を持たせた商品も出てきている。

最近特に伸びているのが、直塗りタイプ。脇など気になるところに直接塗り込む制汗剤だ。スティック状、ロールオンなど各種あるが、このタイプに属する商品はマンダム以外にも資生堂、花王、ロート製薬など、各社とも取りそろえている。

マンダムでは直塗りタイプとしては、男性用ボディケアブランドの「ギャツビー」からスティック、ロールオンなどを発売している。

「直塗りは、“より高い防臭効果を求める人”が購入する傾向にあります。現在はまだ若い人の購入率は低く、30歳以上の人が購買層としては厚くなっています」(奥氏)

商品の特徴は、制汗成分を同社従来比で最大量を配合したことと、殺菌成分が汗で流れにくい、密着度の高い処方であることだ。ニオイは、汗・皮脂などを皮膚の常在菌が代謝することで発生する。ニオイのもとのひとつである、汗そのものの抑制はデオドラントケアの基本となる。

新しい形状のスプレーも登場

ギャツビーの「スポットデオドラント ショット」(650円)。脇に直接噴射できる(筆者撮影)

またより多様なニーズに対応し、同じシリーズで数種類の形状を用意していることも特徴と言える。ロールオンは広範囲に素早く塗ることができ、手軽なのが特徴だ。ビッグボールは「毛の多い男性の脇でも、しっかりと薬剤を塗り込める」(奥氏)形状なのだという。一方スティックは、パウダーを配合しているのでサラッとしたつけ心地で、塗った後にすぐ服を着ることができる。また、「直接肌につけるのがイヤ」という人のために、スプレーのノズルが上を向いた「ショット」という新しい形状を開発。手首をひねらなくても脇の下にスプレーすることができる。

さて、最近になって急に伸びてきているこの「直塗りタイプ」だが、なんと前世紀から先行しているメーカーがあった。直塗り制汗剤「デオナチュレ」を発売しているシービックだ。1961年にP&Gと総輸入代理店契約を結んだ中央物産の輸入事業部が独立した企業で、CBグループマネジメントを親会社とする。海外ブランド商品の輸入・販売のほか、自社商品の開発も行っている。

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