日経平均は3日ぶり反落、一時2万円割れ 韓国株の急落で先物売り、TOPIXも小反落

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 8月3日、東京株式市場で日経平均は3日ぶりの反落となった。前日の米ダウは終値で初の2万2000ドル台を付けたものの、円高懸念が全体相場の重しとなった。日本株には米アップル<AAPL.O>の株価上昇が前日に織り込まれたため、ハイテク関連株を中心に利益確定売りも優勢だった。写真は都内で2015年12月撮影(2017年 ロイター/Toru Hanai)

[東京 3日 ロイター] - 東京株式市場で日経平均は3日ぶりの反落となった。前日の米ダウ<.DJI>は終値で初の2万2000ドル台を付けたものの、円高懸念が全体相場の重しとなった。日本株には米アップル<AAPL.O>の株価上昇が前日に織り込まれたため、ハイテク関連株を中心に利益確定売りも優勢だった。アジア株の下落を背景に先物主導で売られ、一時2万円を下回る場面があった。

TOPIXも小反落。内閣改造に関する事前報道に対し、市場の反応は限定的だった。決算発表を受けた個別物色主体の相場が続く中、韓国の総合株価指数<.KS11>が一時2%を超す下落。これを機に東京市場でも前引けにかけて先物が売られ、裁定解消売りを伴って現物指数が軟化した。

韓国政府は2日、複数の住宅を持つ所有者に対してキャピタルゲイン税を引き上げるとともに、新たなローン抑制措置を講じると発表。これが韓国株の売り材料となったが、韓国株は次第に下げ渋る動きをみせ、市場に安心感が広がった。

日経平均は2万円を割れた場面では押し目買いが入ったが、1ドル110円台と円高基調を続ける為替が重しとなった。後場は決算以外に材料がなく、指数は狭いレンジでもみ合いを継続。ハイテク関連では東京エレクトロン<8035.T>が約2.4%安で取引を終了。日経平均に対し、約14円の押し下げ要因となった。

岡三証券シニアストラテジスト小川佳紀氏は「米アップル決算を受けダウが2万2000ドル台に乗せることは織り込まれていたが、きょうの台湾株などは意外にあっさり下げた印象もある」と指摘。日本の企業決算については「ネガティブサプライズが少なく、市場の期待に沿った内容。業績期待の高い銘柄には買いも入りやすい」とみる。

個別銘柄では 古河電気工業<5801.T>がストップ高。2日、2018年3月期の通期業績予想を上方修正したと発表し、好感された。3日に17年4─6月期の純利益が前年同期比で約3.5倍となったと発表した住友商事<8053.T>は年初来高値を更新した。

半面、カシオ計算機<6952.T>が急落。2日に発表した17年4─6月期の連結業績は、営業利益が前年同期比7.6%減の65億6600万円だった。中間期予想に対する進ちょく率は50%を下回り、さえない業況を嫌気した売りが出た。

東証1部の騰落数は、値上がり986銘柄に対し、値下がりが896銘柄、変わらずが139銘柄だった。

日経平均<.N225>

終値      20029.26 -50.78

寄り付き    20066.00

安値/高値   19985.40─20070.16

 

TOPIX<.TOPX>

終値       1633.82 -0.56

寄り付き     1634.03

安値/高値    1627.72─1635.26

 

東証出来高(万株) 168063

東証売買代金(億円) 22439.94

 

(長田善行)

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