治療長期化時代の正しい「がん保険」の選び方 必要十分な保険の要件を押さえておこう

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入院を前提とした「がん保険」は古い(写真:xiangtao / PIXTA)

いまどきの正しい「がん保険」の選び方

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いまどきの「がん保険」の選び方が見えた気がする……。今月1日にライフネット生命が発売した「がん保険 W(ダブル)エール」の内容を確認しながら感じました。

近年、「がん保険」選びは難しくなっていました。治療の長期化に関する情報が増えたのが要因でしょう。たとえば、2013年8月に行われた「アフラックがん罹患者アンケート調査」によると、治療・検査のために通院した期間は平均3年5カ月となっています。

同社のサイトでは、「抗がん剤治療は、種類にもよりますが、月1回で健康保険の3割負担があっても1か月あたり5万円以上するようなものもあります」という商品開発部の方の発言も確認できます。

先日、参加したライフネット生命の商品説明会でも、乳がんの治療が10年に及んだ例を聞きました。通院治療費の負担が重くなるケースを看過できない、と思わされる話です。

加えて、患者の収入減の問題もあります。東京都福祉保健局の「がん患者の就労等に関する実態調査結果(2013年10~11月実施、対象609人)」があります。個人の収入が減った人56.8%、世帯収入が減った人45.0%となっていて、退職者も21.3%に達しています。

ライフネット生命が、がん経験者572人に行ったアンケート調査でも、罹患前と比べ、回答者全体で、年収が2割ほど減少していることがわかります。

こうした情報に接するうちに、入院を前提とした「がん保険」は古い、診断時に100万円が支払われるだけでなく、長期化する通院治療や患者の収入減に対応している「がん保険」が望ましい、と考える人が増えるのもわかる気がするのです。

筆者も例外ではありません。「診断時に100万円支払われる保険がよい。1商品=1機能であれば、比較検討が容易なので価格競争も進む」という考え方が揺らいでいたのです。

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