前原vs枝野の代表選で民進党は再生できるか 一騎打ちになれば党が分裂する懸念も

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8月2日に行われた民進党両院議員総会における蓮舫代表(左)と野田佳彦幹事長(写真:日刊現代/アフロ)

この日が来るのは彼が予想していたより早かったのか、遅かったのか。いずれにしろ、これが“最後のチャンス”と考えているに違いない。前原誠司元外相は8月2日夕方、民進党代表選に出馬することを正式に表明した。

「いろんな人と相談を重ね、出馬を決意した」

衆議院第一議員会館8階の自室で、前原氏は記者団にその決意を語っている。「内閣支持率が大きく下がったのに、民進党の政党支持率も下がっている。政府への不満の行き場がない。これは民主主義の危機、日本の危機だ。政権交代の場を作らないといけないと思い、不退転の決意で臨んだ」「24年間の国会議員としての経歴、与党も経験した。党をまとめるのは自分しかいないと思う」。

共産党との関係修復努力も

前原氏は野党共闘には“選挙互助会”としての形を批判しながらも、「民進党がどういう社会を目指すのか、賛同してくれるところとは協力できるところはしたい」と意欲を示した。共産党とは、昨年4月の衆議院北海道5区補選では初めて共産党議員とともに街宣の場に立ち、かつて「シロアリ」と批判して悪化した関係修復に努めている。

一方で憲法第9条については、昨年の代表選で「1項と2項を残し、『自衛隊』を加憲する」と表明。安全保障面では党内のリベラル派と一線を引いた。

こうして支援をとりつけたのは、自身が率いる凌雲会のほか、素交会(大畠グループ)や創新会(松野グループ)。出馬表明には“側近”の小川淳也衆議院議員や神山洋介衆議院議員のほか、素交会の篠原孝衆議院議員も顔を出した。

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