「上に立つ女性」は、なぜ女性に嫌われるのか 女性の足を引っ張るのは男性ではなく女性だ

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女の敵は女(写真:xiangtao / PIXTA)

猛暑が続いている。まるでその暑さをあおるように、熱い話題を振りまいている人々がいる。都議選圧勝を導いた小池百合子東京都知事。相次いで辞任を決めた蓮舫元民進党代表、そして稲田朋美元防衛相、さらには夏にぴったり、背筋も凍るホラー動画でお茶の間を席巻する松居一代氏に、不倫騒動の今井絵理子参議院議員……。日本列島の夏は、まさに女たちの話題で沸騰した。

どれも、「だから女は」とか「女だから」といった問題ではなく、人としての資質そのものが問われた結果ではあるが、拙稿「『怒りながら叫ぶ女』はどうして嫌われるのか』で指摘したように、リーダーとして人の上に立とうとする女性が課せられる制約は男性よりもはるかに大きいのは事実だ。そもそも、女性リーダーは嫌われやすく、敬遠されやすい存在でもあるらしい。なぜ、「上に立つ女」はそこまで嫌われるのだろうか。

女性は女性の上司を苦手に感じている?

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筆者はこれまで女性の上司を持ったことはないが、正直に言うと、「女性上司の下では働きづらそう」という「偏見」を持っていた。男性が圧倒的多数の組織の中で、こうなりたい、と思うロールモデルとなる女性を見る機会もあまりなかったし、何より、女性が持つ独特の嗅覚や感性ゆえに、部下を見る目が厳しいのではないか、という思い込みがあった。その点、男性上司なら、ちょっとしたこちらのバグも気づかないし、男女差の範疇ということで「ごまかせそう」な感覚もあった。

残念ながら、実際に筆者のような感じ方をする人は少なくないようだ。アメリカのギャラップ社が2014年に行った調査では、男女どちらの上司がいいかと尋ねたところ、46%が「どちらでもいい」、33%が「男性がいい」、20%が「女性がいい」と答えた。1953年に実施した際には、「男性がいい」が66%だったので、約60年でその数は半減したわけだが、いまだ3分の1は男性上司を望んでいる格好だ。

驚くのは、男性に聞いた場合、「どちらでもいい」が58%、「女性がいい」が14%、「男性がいい」が26%だったのに対し、女性に聞いた場合、「どちらでもいい」が34%、「女性がいい」が25%、「男性がいい」が39%だった。つまり、約4割の女性が「男性上司がいい」と回答したのである。まさに、「女の敵は女」というわけだ。

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