家計分担が「不公平」な共働き夫婦の打開策 けんかを辞さず不満のある側が交渉せよ!

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夫婦の年収は、多くの場合同等ではありません。妻のほうが、産休育休に伴うキャリアの伸び遅れが生じ、またその後も家事育児の負担が大きいことから労働時間も短いため、夫より年収が下がる傾向にあるのが現実です。

ただ、日頃おカネを使うのもまた女性であることが多いのです。日用品や食事などの買い物担当が女性である場合、買い物の費用負担を最初にするのもまた女性になります。専業主婦家庭であれば夫の収入の中から支出することになりますが、共働きの場合、仮に固定費を年収に応じて分担していたとしても、こうした変動費は支出するほうが負担することになりがち。結果、収入が少ない妻が支出も多くなってしまう、という事態に。

そしてそのシワ寄せは、自分で自由に使える「おこづかい」額に影響してきます。

今年の6月29日に公表された新生銀行「2017年サラリーマンのお小遣い調査」によれば、働く男性のおこづかいが3万7428円、働く女性のお小遣いが3万3951円です。ここでは大きな差がないようにみえるのですが、働く女性に夫のお小遣いを聞くと3万9223円となり、先ほどの男性平均を上回っています。すなわち、共働きの場合、夫のお小遣いはさらにアップし、妻とのお小遣い額の差が開いていると考えられます。

妻が専業主婦であるなら、夫の稼ぎは夫婦が協同して稼いだものと考えるべきですし、共働きの場合であっても、夫婦合計の稼ぎからお小遣いは決定されるのが筋であるはずです。夫婦間でおこづかいの差が大きいとしたら、ちょっとおかしな話ではないでしょうか。

共働き世帯であっても、家事育児の負担は妻に偏りがち。それにもかかわらず、家計のやり繰りにおいて負担がのしかかり、そのシワ寄せとして自由に使えるこづかいも少ない、というのであれば、妻の不満はたまるばかりです。

それでは、より効率的に家計を管理する方法にはどのようなものがあるのでしょうか。選択肢は3つあります。それぞれの特徴を比較してみましょう。

"不公平感"のない分担のコツとは?

方法1:妻の年収はすべて貯蓄や学費に回し、夫の財布だけで家計をやり繰りする

どちらかの財布を特殊な目的のために専念させてしまう方法です。一般的に、年収が低いほうの財布はすべて貯蓄目的(住宅購入資金準備や子の学費準備など)に全額を回します。

そして、夫(年収が高いほう)の財布だけで家計のやり繰りをすべて賄います。したがって、妻は夫から生活費やこづかいをもらうことになります。

このケースは、専業主婦がパートや派遣社員として年100万円程度稼ぐ場合によく見られます。ただ、妻(年収が低いほう)がいくら仕事を頑張っても自由な資金使途を認められないこと、「夫に管理されている」構図になることなどにより、共に正社員の共働き家庭にはあまり向いていません。

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