「辞任」「解任」続出で混迷深まるトランプ政権

ホワイトハウス中枢で止まらぬ人事の混乱

ホワイトハウス中枢の混乱ぶりには目を見張るものがある(写真:スカラムッチ氏のFacebook、6月29日投稿記事より)

7月下旬からトランプ政権のホワイトハウス人事を巡る迷走が続いている。ウォール街の投資家であるアンソニー・スカラムッチ氏の広報部長任命を契機としてホワイトハウス中枢の内紛が一挙に露呈し、同氏の広報部長起用に強く反発していたショーン・スパイサー大統領報道官は7月21日に辞任。後任には、5月からスパイサー氏に代わってホワイトハウスでの定例記者会見を頻繁に担当してきたサラ・ハッカビー・サンダース副報道官(マイク・ハッカビー元アーカンソー州知事の娘)が昇格した。

また、スパイサー氏やスティーブ・バノン首席ストラテジスト兼大統領上級顧問とともにスカラムッチ氏の起用に反発していたラインス・プリーバス大統領首席補佐官も7月28日に事実上更迭され、後任にはジョン・ケリー国土安全保障長官が横滑りし、7月31日に正式に就任した。

そしてさらに驚かされたのは、ケリー大統領首席補佐官が就任するや否や、スカラムッチ広報部長がわずか在職10日の7月31日に解任されたことである。トランプ大統領に対してスカラムッチ氏の解任を求めていたのは、他でもないケリー氏であった。

迷走するホワイトハウス中枢人事

本記事は会員制国際情報サイト「Foresight(フォーサイト)」(新潮社)からの転載記事です

トランプ政権発足からいまだ半年余りしか経過していない。にもかかわらず、ホワイトハウス中枢の混乱ぶりには目を見張るものがある。ロシア政府が2016年米国大統領選挙に介入していたとして、オバマ政権(当時)が対ロシア報復制裁措置を決定した昨年12月29日のまさにその日、セルゲイ・キスリャク駐米ロシア大使(当時)と電話でトランプ政権発足後の制裁措置の解除について協議していたことが発覚したマイケル・フリン氏は、在職わずか24日で国家安全保障問題担当大統領補佐官を辞任に追い込まれた。そして今回のスパイサー、プリーバス、スカラムッチ各氏の相次ぐ辞任や解任と、ホワイトハウス中枢の人事は大きく揺れ動いており、トランプ政権の「異常さ」は明白である。

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