マツダ「ディーゼル車の可能性は残っている」 英仏の2040年販売禁止より足元の規制が重要

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 8月2日、マツダの藤本哲也常務執行役員は決算会見で、欧州で不正疑惑が浮上してディーゼル車の環境性能に対する信頼が再び揺らいでいることについて、同社が窒素酸化物(NOx)排出といったディーゼル車で生じる「環境上の問題をクリアできるような商品(の開発)にチャレンジしている」と述べ、ディーゼル車の強化に取り組む同社の従来からの姿勢は「微塵も変わることはない」と強調した。写真は都内で2月撮影(2017年 ロイター/Toru Hanai)

[東京 2日 ロイター] - マツダ<7261.T>の藤本哲也常務執行役員は2日の決算会見で、欧州で不正疑惑が浮上してディーゼル車の環境性能に対する信頼が再び揺らいでいることについて、同社が窒素酸化物(NOx)排出といったディーゼル車で生じる「環境上の問題をクリアできるような商品(の開発)にチャレンジしている」と述べた。

さらに、ディーゼル車の強化に取り組む同社の従来からの姿勢は「微塵も変わることはない」と強調した。

藤本常務は「まだまだディーゼルの可能性は残っている」と話し、「ディーゼルを含めた内燃機関が二酸化炭素(CO2)削減の1つのデバイスになることは間違いない」と力を込めた。同社は今秋、米国市場へ初めてディーゼル車を投入する計画だが、準備は「順調に進んでいる」と語った。

英仏政府が2040年以降にガソリン車とディーゼル車の販売を禁止する方針を示したことに関しては、「まずは足元の規制であるEURO6やRDA(実路走行試験)をきっちりクリアしていくことがわれわれの役割」と述べた。

欧州発の脱ガソリン車、ディーゼル車の動きを受けて電動化車両の普及加速が予想され、各社にとって電気自動車(EV)などの開発は急務。マツダも19年にEV、21年以降にプラグインハイブリッド車を導入する方針で、トヨタ自動車<7203.T>とEVの共同開発も検討している。

藤本常務は、EVについても「アライアンス(連携)も含めていろいろ検討、あるいは準備を開始している」とし、マツダが進めている方向性は「基本的には正しい」との認識を示した。

マツダはディーゼル車の開発や販売に力を入れており、17年4―6月期の日本での販売比率は約3割、欧州では2割を占めた。17年3月期のディーゼル車の世界販売比率は11%だった。

ディーゼル車をめぐっては、世界各地で各社が排ガス規制を逃れるための違法なソフトウエアを搭載していた問題や疑惑が持ち上がっている。15年に独フォルクスワーゲン<VOWG_p.DE>の不正が発覚。今年7月には独ダイムラー<DAIGn.DE>にも疑惑が浮上し、欧州で販売した高級車ブランド「メルセデス・ベンツ」のディーゼル車300万台超の無償修理の実施を決めた。

(白木真紀)

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