地頭の良い人は「簡潔な説明」が上手すぎる 今すぐ真似できる「3つのポイント」とは?

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要点① 「相手にどうしてほしいのか」の視点を持つ

1つ目の重要なキーワードは、「相手の視点から」考えるということです。コミュニケーションの結論は、「相手にどうしてほしいのか?」につきるでしょう。

製品やその企画のアピールのためのプレゼンテーションに関しても、「結論がない」話は、「いかにその企画や製品がいいか?」をアピールすることに終始してしまいます。

おいしい食べ物のプレゼンテーションをするにしても、グルメの人とダイエット中の人とではアピールポイントが違うし、その商品の活用方法も違ってきます。ところが提供者視点での話だと、誰に対しても均一に「おいしさ」をアピールするだけで、「だから何なのか?」と思われてしまう可能性が高くなります。

同様に、たとえば自社の紹介をするにしても「売り上げは◯億円です」とか「世界何カ国に展開しています」という話をしても、「それが相手にどういう意味があるのか?」の視点が欠けていると、何の意味もないのです。

最終的にその話の結果、どうなってほしいのか(商品を買ってほしい、予算をつけてほしい、関係者を紹介してほしい)の視点を必ず持つことです。

はじめに全体像を示す

要点② メモを取る準備をしたくなる、魔法の言葉を用意する

コンサルタントがよく使う手法に「ポイントは3つあります」とはじめに言ってしまうことがあります。この手法で特に強調したいのが「全体から」という側面です。

皆さんは「ポイントは3つあります」という説明をされると、何か「メモの準備をしなきゃ」という感覚を持たないでしょうか。

この言葉は相手に対して、頭の中に「3つ箱を用意してくださいね」というメッセージを暗に含んでいます。要ははじめに全体像を示してしまうという位置づけなのです。

これに対して、いきなり「1つ目は」「次の項目は」という説明を順番にされたら、受け手はどう思うでしょうか。おそらく途中から「この話はどこまで続くのか」という不安にとらわれるのではないでしょうか。「だらだら感」の原因の1つがこれです。

「3つと宣言する」ことの効果は、全体像を発信者と受信者の間で共有してしまうことにあります。はじめに全体像を示さないと、話し手と聞き手との間に認識のギャップがある状態のままで話が続くことになるのです。

全体から考えるために「ポイントは3つです」というのは、まずは共通の地図(の外枠)を共有してしまうことを意味しています。

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