若い女性客が夢中、「遊べるゴルフ場」の秘密 ゴルフ人口が減る中でも新しい客を呼び込む

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リニューアルしたのはクラブハウスだけではない。コースにおいては、通常よりもプレー時間を短縮できるようにしている。

クラブハウスの屋上には、グランピングを楽しめるバーベキュースペースもある(撮影:風間仁一郎)

ゴルフは4人1組で回ることが多いが、リニューアル後は基本プランを2人1組に設定。さらに、通常なら9ホールを終えるとランチ休憩を挟むが、18ホールを続けてプレーできるようにした。ゴルフカートもコース内に乗り入れ可能だ。「1日かけてプレーする」のではなく、何度も気軽に来られるゴルフ場を目指したのだ。

リニューアルによって顧客の年齢層はぐっと下がり、50~60代が中心だったのが、30~40代が最も多くなった。さらには女性ゴルファーも増えている。ゴルフ場の女性比率は11%前後といわれているが、20%と高い水準を維持している。

記者が取材に訪れた日も、20代の女性が2人でプレーする姿が見られた。ロッカーを借りずにゴルフウエアで来場し、すぐにコースに出ていくプレーヤーもいた。肩ひじを張らずゴルフを楽しむ姿が印象的だった。

スケールメリットを強化し、市場縮小に対抗

このKOSHIGAYA GOLF CLUBを運営し、リニューアルを成功させたのが、ゴルフ場運営大手のPGMホールディングス。PGMはパチンコ、パチスロ機大手・平和の100%子会社で、現在、ゴルフ場の買収を積極的に仕掛けている。千葉県や福岡県など、この1年間で新たに買収、運営を開始したゴルフ場は5カ所に上る。

ゴルフ人口が減る中、若者や女性客の取り込みが大きな課題になっている(撮影:風間仁一郎)

厳しい環境下で、なぜ買収を積極的に行っているのだろうか。PGMの田中耕太郎社長はこう語る。

「日本には約2300ものゴルフ場があり、ゴルフ人口に対して多い。修繕費などの資金面も厳しく、ここ5年で150コースが閉鎖された。閉鎖や売却は今後も加速する。その後、需給バランスは今よりも改善するだろう。そこで生き残ったところに恩恵がある」

PGMは生き残るために買収を重ね、スケールメリットを武器にしている。現在同社は国内で138のゴルフ場を運営し、約18万人の会員を抱える。新たにゴルフ場を買収した場合、会員向けに案内や告知をすることで、客を集められるのだ。

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