「中学受験をせずに伸びる子」の本質的な理由 「オール公立」で難関大に受かる生徒の生活

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1)何事にも好奇心をもつ
2)非常に集中力がある
3)勉強を楽しむための工夫がある

 

これは中学生の段階での特徴ですが、小学校の段階でもこの傾向を持っている子が、中学生になってもこの状態が加速度的に続いていくのです。*ただしまれに“天才”がおり、そのような子は上記の内容には当てはまらない。

では、これらはどのようにして養成されてきたのかといえば、ベースは家庭内で作られていることが多いのです。その証拠に、保護者との面談を4000人以上行ってきましたが、上記のような子どもがいる家庭に、ある種の共通した背景があることがわかりました。しかもそれは親が意図的に行っているものではなく、どちらかといえば自然と無意識に行っていることが多いことに気づかされました。

家庭はどのような様子なのか

では、上記のような子どもの家庭はどのような様子なのか、代表的な例を挙げておきましょう。

・ゲームは関係ない→つまり上記のような子もゲームはよくやっている
・勉強時間と成績はある程度、相関関係がある→勉強はやってはいるが、受験のような勉強はしていない。どちらかといえば毎日少しずつ、コツコツ行うというイメージ
・遊びもある程度、相関関係がある→上記のような子どもほど小学校時代に実はよく遊んでいる
・勉強以外に、自分の好きなことで熱中できるものを持っている
・親は子どもに勉強を強制していない
・習い事の数は関係ない→つまり、習い事をたくさんしている子もいれば、ほとんどしていない子もいる(ただし習い事は効果がないという意味ではない)

 

以上を大きくまとめると、子どもが小学生のときに家庭で自然と培われている力というのは、次の3つとなります。

◆物事を肯定的にとらえられる力

この力を子どもが持つようになるには、親がそうした姿勢をもつ必要がありますが、もしこれを実践したならば、親自身の生活のあり方も大きく変わってくるというメリットもあります。子どもの肯定的見方は、やがて勉強に対しても同様に肯定的に楽しめる発想を持つ状態に至ります。

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