24歳・芸歴8年「地下アイドル」の堅実な仕事観 文筆でも稼ぐ彼女は闇雲に一番を目指さない

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時代的に、SNSが普及して、芸能事務所に入らなくても、宣伝活動ができるようになってきていた。そのため、正体不明のアイドルたちが有象無象に現れ、彼女たちは揶揄の意味をこめて、地下アイドルと名付けられた。姫乃さんも、ご多分に漏れず地下アイドルと呼ばれた。

地下アイドルという言葉は蔑称だったため、地下アイドルと呼ばれ、憤っているアイドルたちもたくさんいた。しかし、姫乃さんは、地下アイドルと呼ばれることにまったく抵抗がなかったという。

「私の自尊心は、中学時代に完全に失われているんですよね。

だから、アイドルとして舞台に上がってものぼせられないんです。そもそもアイドルになりたかったわけじゃないですし、“地下アイドル”くらいでちょうどいいなって思ってました」

芸能事務所に所属しようとは思わなかった

フリーランスでいいかなと思った(筆者撮影)

姫乃さんは地下アイドルライフを堪能していたが、地下アイドルの存在をこころよく思わない人もいた。

とある芸能事務所の社長には、

「自分は地下アイドルだって名乗るなんて、自分のことを乞食ですって言ってるのと同じだ!!」

と頭ごなしに罵倒された。

多くのアイドルを抱える芸能事務所の社長からは、フリーランスのアイドルなんて、乞食のように見えたのかもしれない。ただ、そうなじられても

「なんか、とても怒っているな……」

と思うだけで、姫乃さん自身は芸能事務所に所属しようとは思わなかった。芸能事務所に入ってメリットがある人は2パターンに分けられるという。

「私はアイドル活動はしたいけど、事務作業はしたくない。マージンを取られてもいいから、めんどくさい事は全部事務所にやってもらいたい」

という人と

「私は将来絶対に売れるから、事務所は私に高い予算をかけて、ガッツリ投資してください」

という人である。

「私はどちらでもないんですよね。事務作業は苦ではないので、それで事務所にマージン抜かれるのは困るし、予算をかけて売れるタイプでもないので。フリーランスでいいかな~と思いました」

アイドルとして活動しながらも、自ら営業をかけたことはなく、オファーが来たら登壇するという流動的なスタイルだったが、仕事は途切れなかった。フリーランスだから、打ち合わせも自分でしなければならないが、いろいろな人に会えて、逆に楽しかった。

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