日経平均が一気に1000円以上動くのはいつか 7月はこのままだと30年ぶりの小さな値幅に

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(写真:尾形文繁)

7月の日経平均は、「過去30年で最低の値幅」に?

日本株がとにかく動きません。7月に入ってからは特にそうで、1週間で日経平均株価の高値と安値の値幅がたった178円だったこともありました。これは大納会や大発会の週を除くと、2012年10月以来の小ささです。当時はアベノミクス相場がはじまる前の収束相場だったころです。

実は月間でも今月は344円幅(26日現在)しか動いていません。日経平均株価がはじめて1万9000円台に乗せた1987年以降で月間の値幅をみると、今月は今のところ367カ月のうちで最も小さい値幅にとどまっています。そして、今月を除く 400円未満の上位3つのケース(2005年1月と7月、2011年7月)をみると、いずれも3カ月以内に高値と安値の差が1000円以上動いた月があるのは興味深いことです。ということは、今月もこのままでいくと、10月までに大きく動く月があるかもしれません。いずれにしても、収束相場から発散相場への移行が近いことが予想されます。ただ、上位3つのうち2つが7月なのを見ると、今の相場も何となくうなずけますね。

一方、米国株式市場ではナスダックの上昇が目立ちます。最近では動画配信サービスを手掛ける米ネットフリックスの決算などが材料となり、再び騰勢を強めました。物色が連動しやすい東京株式市場でもハイテク株が買われる地合いとなっていますが、先週あたりからは電子ハイテク材料に強い化学株や非鉄金属株までに物色が広がってきました。その頼みの綱だったハイテク株買いも、そろそろ一巡する可能性が高い。また、安倍晋三内閣支持率の低下や円高を背景に海外ヘッジファンドの売りが強くなっているようで、短期的には不安定な動きがあるかもしれません。

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