老後に月30万円使うには貯金はいくら必要か

おカネを増やすための「360リスク法」とは?

工藤:私なりの理解ですけど、社債は、会社が資金を調達するために発行する債券ですよね。リスクは、その会社が倒産することだと思いますが、大手通信会社の社債なので、その点は大丈夫だと思います。

あと、外貨建て個人年金保険は、円安だといいんですけど、円高になると損します。仕組み預金は、中途解約はできないですが、余裕資金で運用しているから中途解約はするつもりはないし、金利も比較的高いです。リスクって言われても、特にないですよね?

リスクを認識していなかった工藤さん

岩城:工藤さんは、あまりリスクをとりたくないと仰っていますが、実は、3つとも、個人の投資対象としては避けたほうがよい商品です。

まず、「社債」は、信用リスクに対して、国債の利回りに、どの程度利回りの上乗せがあればいいのか判断をしなければなりません。信用リスクというのは、社債の利回りや元本償還が、将来約束どおりにできなくなる「デフォルト」の起こるリスクのことです。個人にはなかなか判断が難しいでしょう。それに、実はわざわざ個人向けに売られている時点で、すでにプロの投資家には魅力的な商品ではないのです。

また「外貨建て個人年金保険」は、為替リスクがあるだけでなく、コストが高くて、おカネの置き場所としては不利です。金融庁が、2016年9月に出した「金融レポート(平成27事務年度版)」に、個人投資家にとって、手数料の高さや適正などから問題があるとした商品が3つありますが、そのうちの1つが、工藤さんが持っている「貯蓄性の生命保険(主に外貨建て)」です(他は、毎月分配型など頻繁に分配金がある投資信託とラップ口座)。

さらに、「仕組み預金」は、預金とデリバティブ(派生商品)取引や為替取引などを組み合わせた複雑な商品です。中途解約できないだけでなく、金融機関の都合で、預け入れ期間の延長があったり、元本確保型とうたっていても、実際には為替相場の変動によって元本割れの可能性がある商品だってありますよ。

工藤:え、そうなのですか! 私、リスクを取っていないつもりだったのですが……。

岩城:リスクについて十分に理解できていない商品を持つのは間違いですね。リスクを軽減したいなら、まず資産を分散することが基本です。

工藤:じゃあ、何を買えばよいのですか?

岩城:実は、商品を選ぶのは最後です。まずは、ご自身がどのくらいリスクをとっても大丈夫なのか、考えましょう。

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