民進党、蓮舫代表会見でも「解党論」くすぶる 「戸籍書類」公開、吉と出たのか凶と出たのか

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安倍政権に逆風が吹いても、国民の期待の受け皿とはならない民進党(写真:Rodrigo Reyes Marin/アフロ)

蓮舫民進党代表が7月18日、戸籍謄本など自らの戸籍に関する公的書類を公開した。昨年9月の党代表選前後に指摘された「二重国籍」疑惑の"幕引き"を狙ったものだが、「浅はかだった」と反省した自らの戸籍をめぐる過去の言動との矛盾も含め「日本国籍のみと思い込んでいた」との釈明への疑問・不信は払拭できなかった。

併せて、昨秋から求められていた戸籍謄本公開が今になった理由を「子供が成人して了解を得たから」とする一方で、来週に予定される、安倍晋三首相をめぐる「加計学園疑惑」解明のための衆参予算委集中審議での政権追及の"足かせ"にしたくないとの思惑もにじんだ。党内からの「代表の二重国籍問題が都議選惨敗の原因」との批判を受けての「苦し紛れの対応」と受け取る向きもあり、今回の蓮舫氏の賭けが「吉と出るか凶と出るか」はなお不透明だ。

「差別を助長しない社会をつくる」と力説するが

蓮舫氏の「二重国籍」問題に関する臨時記者会見は18日夕、党本部で行われた。冒頭、蓮舫氏はすでに台湾籍がなく、日本国籍を選択したことを証明する戸籍謄本の一部など関係資料6種類を公表した。同資料の記載内容はこれまでの主張を裏付けるもので、同氏は問題発覚当初の説明が二転三転したことについて「私の記憶で説明があやふやになったことは申し訳ない」としてあらためて謝罪した。

蓮舫氏は昨年9月の党代表選出馬の際に二重国籍問題が発覚した時は「私は生まれた時から日本人。(台湾)籍は抜いている」と主張。しかし、投票日直前に台湾籍が残っていたことを認めて謝罪するというドタバタ劇を演じた。その後、台湾籍を離脱し、日本国籍の選択宣言の手続きをとったが、ネット上などで選択宣言を裏付ける戸籍謄本などの公開を求める意見が相次いだ。都議選での民進党惨敗でにより党内でも問題が再燃し、公開を余儀なくされた。

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