SAP HR Connect 2017 未来を切り開く人事

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パートナー様講演
VUCA時代を生き抜く人事システム革命とは?

本多宏充氏/アビームコンサルティング プロセス&テクノロジー ビジネスユニットHCMセクター ディレクター

アビームコンサルティングの本多宏充氏は、将来予測不能な時代の人事システムの動向を解説した。人事システムは、グローバル標準で運用したいタレントマネジメントに続き、人事コア領域でもパブリッククラウドの利用が進展。一方、企業独自仕様が必要な給与システムはプライベートクラウドが利用されている。その点で「ハイブリッドになっているサクセスファクターズを勧めることは多い」と述べた。最近は「ビジネスパートナーとしての人事」という考え方が浸透し、法人軸に加えて事業・機能軸でも人事管理を志向する企業が増えている。先端事例として、ポジションのスキル要件、予定報酬を定め、それに合った人材を供給。さらに予定報酬から人件費予算を算出する仕組みを構築した消費財メーカー。プロジェクトに最適な人材をアサインするため、テキストデータも含め多様な人事情報を使い、多角的検索システムを築いたサービス事業会社の取り組みを紹介した。「データの構造化はきりがないので、非構造化データの処理はデジタル技術の進化に任せるべき」と述べ、つねに最新技術を反映できるクラウドシステムの優位性を指摘した。

SAPジャパン講演
最新のデジタル・テクノロジーが支える
戦略人事への転換

鈴木康弘氏/SAPジャパン 人事・人財ソリューション事業本部 シニアスペシャリスト

SAPジャパンの鈴木康弘氏は、コア人事、給与計算、さらにタレントマネジメントを統合した人事ソリューションをクラウド環境で提供する同社のサービス「SAP Success Factors(サクセスファクターズ)」を紹介した。このサービスは、AIを使って分析することで、人材選抜や採用の場面で、選抜側の思い込みから生じるミスマッチや選抜漏れを防いだり、大量の応募書類をより正確かつ客観的に処理。求める経験、学歴などの要素の重み付けを変え、候補者の多角的な比較検討も可能だ。離職リスクの高い社員の抽出や慰留策の提案もでき、新任マネジャーには心強い支援ツールになる。システムに蓄積される人事情報は、担当者の経験と勘に頼っていた人事施策を、論理的に議論するベースになる。「SAP Digital Boardroom」を使えば、最新データの分析結果や、コスト・効果のシミュレーションを即座に経営会議に示せる。「業務の中に溶け込んだIT」を目指し、音声認識技術による自然な対話を通じた操作など、人事システムを使いやすくする取り組みを進め、(ビジネス特化型SNSの)LinkedInなどサードパーティとの協業も強化予定とのこと。「今後も最新テクノロジーを活用したクラウドベースの人事ソリューションを提供していきます」と語った。

特別講演2
花王の絶えざる革新
―変化を先導する組織・人財開発への挑戦―

青木 寧氏/花王 常務執行役員 人財開発部門統括

花王の青木寧氏は「企業の持続的成長のためには、資産を最大活用する組織能力の絶えざる革新と、社員一人ひとりの精神風土が重要」として、同社の取り組みを紹介した。同社は04年にグローバルな企業理念「花王ウェイ」を制定。よきモノづくり、絶えざる革新、正道を歩む、の3点を基本となる価値観に掲げた。また、各社員の行動を規定するビジネスコンダクトガイドラインを定め、一人ひとりへの企業文化の浸透を図っている。組織としては、国内外の標準化・一体運営を目指し、10年策定の「人財開発基本方針」に沿って、グループ全体での人財開発の効果・効率性の追求、個々の社員の尊厳の尊重、社員の創造性と組織の発展の統合を推進。SAPジャパンやアビームコンサルティングの協力も得て、グローバル全体の人財情報を一つのデータベースに集約する統合人財情報システムを構築した。これにより、組織ごとの生産性など、さまざまな切り口のKPIがわかり、シミュレーションをしながらトップダウンで要員計画の見直しが可能になった。最適な人財プールを形成し、配置する仕組みもグローバルに進化。「絶えざる革新による持続的成長」を支えている。

クロージング

佐々木聖治氏/SAPジャパン 人事・人財ソリューション事業本部 事業本部長

SAPジャパンの佐々木聖治氏は、8月に米ラスベガスで開催する「Success Connect 2017」などの予定イベントを紹介。「人事最前線を実感いただきたい」と呼びかけた。

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