赤字の都バス、「稼げない路線」は何が違うのか 収支で見る、知られざる都バスの正体<下>

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入国管理局へ向かうバスは満員状態

黒字路線には「短い距離でしっかり稼ぐ」路線が多いのも特徴だ。黒字7位の「田87」や同10位の「都01」は短い営業キロ数ながら、沿線には学校や企業、病院をはじめとする施設が建ち並び、全区間にわたって利用者が一定数存在する。

黒字路線の中で唯一の例外が、黒字3位の「品99」だ。沿線には目立った観光地や企業がないにもかかわらず、朝のラッシュ時はバス停に長蛇の列ができるほどの盛況で、あふれそうな乗客に対して職員が乗降制限をかけるほど。

実は、ほとんどすべての乗客の目的地は東京入国管理局だ。車内では外国語が飛び交い、入国管理局に着くとおよそ50人もの乗客が一斉に下車し、それからバスは終点までもぬけの殻となる。

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