「他人の人生を覗く」に魅せられた男の仕事観

ゲーム作りとの両立で人生を過ごしていく

手帳類の目録
これまでにないジャンルに根を張って、長年自営で生活している人や組織を経営している人がいる。「会社員ではない」彼ら彼女らはどのように生計を立てているのか。自分で敷いたレールの上にあるマネタイズ方法が知りたい。特殊分野で自営を続けるライター・村田らむと古田雄介が神髄を紡ぐ連載の第4回。

見ず知らずの他人の手帳や日記が読める

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東京・原宿の明治神宮から程近く、見ず知らずの他人の手帳や日記が読める空間がある。マンションの一室を使ったギャラリー「Picaresque」のカウンターで500円を支払うと、奥にある読書スペースに通される。収蔵している“手帳類”の目録が置いてあり、その中から読みたい手帳を申請すると目当ての手帳や日記が貸し出されるシステムだ。

「新人をアダ名で呼んで怒られた」と職場の愚痴を毎日緻密に書き綴る20代半ばのサラリーマン。「ごはんたべて お風呂入って 21:30」「明日からは新聞を読んでまとめなきゃ」と社会人生活に適応するために自己鍛錬の計画を練る新卒女性会社員。10年書ける日記帳に毎日欠かさず100文字以上を書き綴り、パチンコなどの負け分もメモし続けるギャンブル好きの男性。日々の治療の記録とともに自身の思いをつづった闘病録――。

基本的に、手帳類の想定読者は本人ひとりのはずだ。その閉鎖的な一人称空間を他人が読むと、まるでその人になって書かれた境遇に入り込んだかのような不思議な感じがする。のぞき見趣味かもしれないし、VRに近い面白さなのかもしれない。

ギャラリー「Picaresque」

いずれにしろ、この感覚にハマる人は少なくなく、週4ペースで開いているこのギャラリーには毎営業日、手帳類ファンが訪れるという。なかには月に3回足を運んで、同じ手帳を一心不乱に読み込む常連もいるとか。中心層は20~30代で、男女の偏りはない。取材で訪れた際も、われわれをいっさい気にかけず大学ノートにつづられた誰かの日記を読みふける若い女性がいた。

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