仕事ができない人に共通するヤバい口癖7つ 何気ない一言が先延ばし癖を助長する

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そもそも、多くの人が先延ばしの本当の意味を理解していません。まず理解していただきたいのは、「重要でないこと=さまつなこと」を先送りすることは、「先延ばし」ではないということです。私がいう先延ばしとは、「あなたにとって重要な仕事・価値あることを後回しにすること」、このことを指します。

先延ばしを変えた二男の一言

『先延ばしは1冊のノートでなくなる』(書影をクリックすると、アマゾンのサイトにジャンプします)

たとえば、私の場合は家族との時間でした。「お父さん、遊ぼ!」と遊びたい盛りの息子たちに誘われても毎日の激務のために「後でね」が口癖になっていたのです。「家族のためにもクライアントさんのためにも、今は仕事に邁進するのがベストだ」と、当時は自分を納得させていました。それでも仕事が終わらず、睡眠時間を削っていたため、肩や首のこりが悪化し、働けば働くほど消耗しやつれていきました。

「いつも『後でね』っていうけれど、その『後でね』は、いつくるの?」

自分が先延ばししていることに気が付いたきっかけは、二男の痛烈な一言でした。そこで、「後でね」と先延ばしにしていた家族との時間こそ、私にとって「本当に大事な価値あるもの」だと気付きました。自分にとって大事な、価値あることの先延ばしでかけがえのないものを失うところだったのです。

口癖をただ言わないようにするだけでは先延ばしは、本当の意味で、なくなりません。大切なことは「本当は、どうしたいか?」ということを明確にすることです。もう一度初心に返り、本当に大事な価値観を見極め直し、「自分にとって大事な価値あることの先延ばしをやめよう」と決意し、実行することが大切なのです。

そして、先延ばしすべきではない、あなたにとって重要な事柄については、ちゃんととりかかろうとせずに、まずは「10秒でできる小さく具体的な行動」からスタートしてみてください。たとえば、

・メール返信の1行目だけ書く
・仕事に関する資料を眺める
・自分のデスクをサッと拭く
・企画書関連のファイルを開く
・職場の同僚に「ありがとう」を言う

 

こんなレベルのアクションを起こすだけでいいのです。脳は、「変化を嫌う」という防衛本能を持ち、新しいことや難しいことよりも今まで生き延びてきた現状維持をよしとする一方で、少しずつであれば、変化を受け入れるという性質(脳の可塑性)も持っています。

まずは、「7つの口癖」を意識して話さないようにするだけでも、先延ばしをやめる大きなキッカケになります。あなたも、意識して口癖を変えてみませんか。

大平 信孝 メンタルコーチ

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おおひら のぶたか

株式会社アンカリング・イノベーション代表取締役。メンタルコーチ。中央大学卒業。長野県出身。会社員時代、自身が部下育成に悩んだ経験から、脳科学とアドラー心理学を組み合わせた、独自の目標実現法「行動イノベーション」を開発。部下育成のためのメソッド「行動イノベーション・トーク」を広めるべく、「行動イノベーションアカデミー」を運営。これまでサポートしてきた企業は、IT、通信教育、商社、医療、美容、小売りなど40以上の業種にわたる。主な著書に、『本気で変わりたい人の行動イノベーション』(秀和システム)、『先延ばしは1冊のノートでなくなる』(大和書房)、『指示待ち部下が自ら考え動き出す!』(かんき出版)など。

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