高島屋、近鉄百貨店、セブン&アイを分析する

アベノミクスで企業業績は本当に改善したのか?

安倍内閣がスタートしてから約8カ月間が経過しました。アベノミクスによる円安株高の恩恵を受けて、一部の企業では業績が好調だと報道されていますが、それぞれの企業では本当に改善してきているのでしょうか。今回は、特に皆さんの生活に直接かかわっている小売業が、アベノミクスによってどれだけ業績が改善しているか、マクロ・ミクロの両面から検証してみたいと思います。

百貨店では高額品は好調(伊勢丹新宿店、撮影:尾形 文繁)

マクロの視点から見て、消費はどのように変わったのか

マクロ経済とミクロ経済の動きは、必ずしも連動しているとは限りません。大切なのは、両方の面から分析を行うことです。ここでは、消費に関連する経済指標とともに、コンビニエンスストア大手のセブン&アイHD、そして老舗百貨店の高島屋、近鉄百貨店の財務内容を読み解いていきます。

アベノミクスが走り出してから真っ先に反応したのは、百貨店全体の売上高でした。「全国百貨店売上高」の推移を見ますと、昨年末まで前年比マイナスが続いていましたが、安倍内閣が発足した2013年1月以降は前年比プラスに転じました。特に同年3月は同比3.9%と大きく伸び、さらに6月は同比7.2%と驚くほど伸びたのです。

これは、株高によって資産価格が上がることで消費が増える「資産効果」が如実に現れたのだと考えられます。6月の「全国百貨店売上高」の商品別の内訳によると、やはり「美術・宝飾・貴金属」が前年比16.3%と大きく伸びています。さらに同月は梅雨明けが早く、猛暑日が続いて夏物衣料の売り上げが増えたことも、全体の売り上げ増に貢献しました。

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