「牛丼は1杯1000円だって全然おかしくない」 スパークス阿部修平氏が語る日本株の行方

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日本はあらゆるものの価格が安すぎる。牛丼は世界標準なら1000円だっておかしくない。今後、もし価格が上がるとしたら、どんなことが待っているのか(撮影:今井康一)
日経平均株価は再び2万円を回復。もう一段の上昇余地があるのかどうか、市場参加者の意見はなお分かれる。さまざまな思惑が交錯するなか、スパークス・グループ代表取締役社長の阿部修平氏に、今後の日本株の行方について聞いた。

日本でも世界でもこれからインフレになると考えるワケ

日本株は絶好の投資タイミングを迎えている。

このように言うと、いろいろなところから反論が飛んできそうだ。日経平均株価は現在2万円台を維持しているが、上昇からすでに4年半が経過しようとしている。いくら何でも、そろそろ下落に転じるのではないか、というのが、世の中の意見の大勢だと思う。

でも、それは違う。

アベノミクスが始まって4年半。日本経済はなお、デフレの残滓(ざんし)を引きずっていた。「生鮮食品を除く総合」で消費者物価指数を見ると、昨年12月まで約1年間にわたり、前年同月比でマイナスが続いていた。

有効求人倍率は、小泉純一郎政権だった当時、全国平均では1倍を超え、労働需給はタイト化していたが、地方に目を向けると、決して好調ではなかった。当時の雇用環境は、大都市圏においては好調だったものの、地方は惨憺(さんたん)たるありさまだったのだ。また労働分配率は、1989年にベルリンの壁が崩壊して以降、世界的に下がり続けた。労働力の供給が倍増したからだ。

このように、国内外共にこれまではデフレの環境にあった。それがここに来て、徐々にインフレの環境へと転換しつつある。

世界の生産年齢人口はピークアウトし、徐々に下がり始めている。先進国は言うに及ばず、新興国においても生産年齢人口が減少し始めたのだ。働く人の数が減れば、やがて賃金は上昇へと向かう。その兆しが、世界の生産年齢人口のデータから見て取れる。

一方、日本に目を向けると、5月の有効求人倍率は1.49倍になり、バブル期を超え43年ぶりの高水準となった。しかも小泉政権当時、地方の雇用環境は悪かったが、今は地方も含め、全国規模で雇用環境が良くなってきている。また、昨年12月まで前年同月比マイナスを続けていた消費者物価指数は、今年に入ってからプラスに転じた。不動産バブル崩壊後、あれだけ長期にわたって下落傾向が続いた地価も、上昇している。

このように、徐々にではあるが、国内外のデフレ圧力は軽減されつつある。これは株式市場にとってポジティブな材料だ。

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