人気作家夫婦が交互連載で離婚を考えたワケ

自分の怒りの理由を相手に聞くクイズはNG!

――最低限、何が理解されていれば夫婦が成立しますか?

田辺:お互い、されて嫌なことかな。あ、でも私がつねづね、こういうのは苦手って言ってるのに、折り紙の本を勧めてきてたな、この人(円城さん)。レシピ本も「NO」って言い続けてるのに、『野﨑洋光 和のおかず決定版』(野﨑洋光・著)を勧めてきたり……。

円城:そうか、ぜんぜん「最低限」を理解してなかったんだ(笑)。でもさ、勧められたらどうしようって言われちゃったら、勧めないわけにいかないでしょ。「押すなよ、押すなよ」のダチョウ倶楽部みたいなもんだから。

夫婦で「クイズ」を出してはいけない

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――それを言ったら、円城さんが実はコーヒーを嫌いだったということも、田辺さんはこの連載を通じてはじめて知ったんですよね。

円城:意外と、伝えてないまま勝手にイライラしてることが多かったみたいですね、僕は。

田辺:いちいち言わないから。なんで不機嫌なんだろうっていつも思います。

円城:いや、そんなことないよ。ものによっては過去に何度も「こうしてほしい」っていう要望を君に渡してるよ。いちおう受理はされるし、「それは弊社としては重く受け止めたいと思います」とはなるけど(笑)、結局改善はされないじゃない。いい加減、僕は力尽きてるわけ。

田辺:あ、そういうあきらめの方向を選んだのね。

円城:やっぱり、大きな会社との付き合いってそうなるんだなという社会勉強ですよ。それを家庭の中で学んだ。ただ、受理されるかどうか、どう交渉するかという問題はあるにしろ、要望は相手にはっきり言ったほうがいいですね。「クイズ」を出してはいけない!

――はい、はい。「私がなんで怒ってるかわかる?」とか言わない(笑)。

円城:そうです。クイズではなく、「正解」を言うのが大事だというのが結婚してわかりました。

――ただ、「正解」を言うのは、先ほど「しないほうがいい」とおっしゃっていた、問題や要望の可視化でもありますよね。

円城:でも改善されることもたまにありますから。もし改善されたら、それはそれで儲けものだし。

田辺:ただ、どう考えても自分の能力では無理な要望を出してきたら、あきらめてもらいますけどね。

円城:君、ホントに怒り狂ったことがあるよね。僕が、「1週間だけ、暇なときでいいから、ご飯作ってみて。そうしたら僕の気持ちもわかるかもしれないから」って言ったら、「そんなことを言う人とは暮らせない!」って(注:円城さんは自炊派、田辺さんは外食派)。まあ、確かに僕だって、海の彼方の島まで泳いで往復しろとか言われたら、無理って言いますから。

(構成:稲田 豊史)

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