「営業・接客系」の働き方はAI登場で変わるか レンジでチンするようにAIでデータ分析?

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このリポートでは、「営業・接客系」の仕事は、「営業・販売」または「サービス」と分類されているのですが、テクノロジーの進化に対応した「変革シナリオ」の場合で、「高度なコンサルティング」が求められる営業・販売の仕事は114万人の従業者数が増加するとされ、「低付加価値」の営業・販売の仕事は68万人が減少すると予測されています。

また、サービス系の仕事においては、人が直接対応することが求められる業務は179万人の増加、AIやロボットでも対応できる業務は51万人の従業者数が減少するとされています。

営業・接客系の仕事においても、AIの得意な仕事はAIに置き換えられる可能性は高く、人間は、人間にしかできない価値の仕事にシフト・進化していく必要があることがわかります。

「ヒューマンタッチ」なやり取りが増えていく

「人と接する」営業・接客の仕事において、AIやロボットでも対応できる業務とはいったい何でしょうか。そのひとつの例が、IBMのAI・Watson(ワトソン)をコールセンターのリアルタイム支援に実用導入させた、みずほ銀行の事例です。

ワトソンの最大の特徴は、自然言語を解釈する点です。つまりお客様の声を自動的に音声認識して、回答候補をオペレーターに提示してくれるのです。それまではオペレーターが、記憶だけでは賄えない膨大で複雑なマニュアルの中から対応するべき事例を調べて回答していました。それをAIが代わってくれることにより、スタッフは「心」を使う仕事に注力できるようになります。

たとえば、相手の状況や感情を察し、「急いでいる人ならばスピーディに」「時間のある人には丁寧に」対応できます。また、単なるマニュアル的なやり取りだけでなく、相手に合わせた人間らしい声かけや会話をするように進化していくかもしれません。

営業・接客の仕事では、今後はどんどんこうした「人間の心」を使う「ヒューマンタッチ」な方向にシフトしていくでしょう。そして、こういう人間的なサービスによって顧客満足度が高まり、同時にコールセンタースタッフもやりがいを覚えて「仕事が楽しい」と感じられるようになるのだと思います。

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