新選組「強さの秘訣」は結局、何だったのか? 教科書が教えない「剣と規律」以外の真因は

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【4】「最新兵器」を導入した

「剣」のイメージが強い新選組ですが、彼らが使用した武器の種類は幅広く、鉄砲や大砲(2門)も所持していました。

鉄砲は従来の火縄銃ではなく西洋の最新型で、全隊士が十分な訓練を受けており、大砲についても発砲訓練のあまりのすさまじさに、当時敷地の一部を屯所に貸していた西本願寺からクレームが来るほどでした。

【5】 組織の柔軟性

新選組では近藤の方針のもと、従来の価値観にとらわれない柔軟な組織運営が行われました。隊士らは身分や流派を超えて互いの技や知識を学び合い、近藤自身が宗家でありながら天然理心流を隊の流派に統一することもありませんでした。

それどころか、新選組を西洋式の軍隊に再編し、より強化を図る構想も描いていたようです。実際、副長の土方歳三は、後の箱館戦争で自らが率いる陸軍部隊をフランス式で編成しています。有名な彼の洋装写真は、単におしゃれを気取っていたわけではないのです。

Q6. 「5つの強さの秘訣」はわかりました。その背景にあるものは?

いま紹介した5つの点によって、新選組は「最強の組織」へと成長を遂げるのですが、そもそもこうした発想はどこから生まれたのでしょう。

その謎を解くカギのすべては、「天然理心流」にあったと私は思います。

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