「親に反抗し始めた子」への過干渉は危ない 学校をやめてしまったケースもある

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1)これまで親が指示、強制をしてきたことに対する反発

お父さんの文面では、子どもが成長とともに反抗的になり、注意をしていなくても何か言えば怒るという状況になっているということですが、いきなりこのようになったわけではないでしょう。これまでの蓄積があって、あるとき一気に爆発して現在に至ったと考えられます。つまり、これまでの親の対応のツケがここへきて回ってきた可能性があります。

岩崎さんの相談内容にも、「小学生の頃は力業も通じますが」とあるように、これまで力業で封じてきたことに対して、子どもが成長とともに、反発できるようになってきたのです。これは正常な反応であり、喜ばしいことです。

一般的に人は強制・指示されたことに快く行動を起こすとは考えにくいものです。親が「こうすればうまくいくのに自分の子はなぜできないのだ!」「やれと言っているのにやらない!」ともし思っているとしたら、これは大きな勘違いです。強制では人は快く動かないのです。

もちろん親の言うことの中には、社会道徳や倫理観、一般常識や生活習慣など、子どもに教えるべきことがあり、それらは反発しようが、しっかりと教えていく必要はありますが、その場合でも強制的に指導するというよりは、まずは考えさせるというアプローチから入るとよいでしょう。

強みと弱みを強烈に併せ持っている

2)負けず嫌いというパーソナリティの問題

小6の段階でこのような対応を親に取ることができるということは、精神的成長が早いか、負けず嫌いというパーソナリティを持っている可能性があります。特に負けず嫌いというパーソナリティは自分の力で伸びていく非常に強いパワーを持っていると同時に、他の意見を受け入れないという傾向もあり、ゴールまで遠回りしてしまう場合もあります。また極端なマイナスケースでは、負けを認めたくないため、途中で勝負から逃げてしまうことや、うそをついてまでできている自分をつくり出そうとする場合もあります。強みと弱みを強烈に併せ持っているため、上手に対応してあげれば、かなり成長する一方、そうでない場合は大きなマイナスの結果をもたらす場合もあります。

以上の2つが複雑に絡んでいるのではないかと思います。ではこれらの状況に対して、今後どのように対応していけばよいかということですが、その前に次のことをまずは知っておきましょう。

「一般に強者と弱者の人間関係がある場合、強者の立場にある人がまずは変わらなければ、弱者の立場にある人からは変わりようがない。親子の場合は、親が強者の立場にあり、子どもは弱者の立場にある」

先ほどの1つ目の理由であっても、2つ目の理由であっても、まずは親が変わらなければ、何も変化は起きません。そこで具体的に次のような2つのアプローチをお勧めします。

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