高校入試の「英検加点」に異議が出るワケ

所得などで格差が生まれる?

県教委は3級に5点、準2級に10点、2級以上に15点を加えるとしている(写真:Graphs / PIXTA)

福井県議会の総務教育常任委員会は6月30日に開かれ、現在の中学3年生が受験する県立高入試から実施される実用英語技能検定(英検)3級以上の取得者への点数加算措置について集中審議した。点数加算による英語偏重には問題があるなどとして、加算措置をやめるよう見直しを求める意見書案を7月3日の同委員会で取りまとめ、松田泰典議長に提出することを決めた。

英検だけが加算されるのは不公平?

斉藤新緑委員長は委員会終了後、記者団の取材に「加算される英検の試験内容は中学校の英語の授業で習っていない範囲も含んでいる。塾通いは各家庭の所得や地域性による格差がある」とし、見直しは全会一致の意見と述べた。

この日は英検加算に絞って集中審議した。参考人として県教職員組合の竹野亨執行委員長と谷口倫章書記長のほか、元教員で同県鯖江市の女性、福井市の学習塾の代表男性を招致して意見を聞いた。

参考人からは「英語課程外の英検加点に中学校教員が戸惑っている」「教員の多忙化につながる」といった学校現場の懸念の声や、「英検だけが加算されるのは不公平」「小学校から英語塾に通える子どもが有利になる」「他の教科の勉強時間が削られる」などの意見が出た。その一方で「今更白紙撤回は残念とする生徒、保護者もいるのではないか」との意見もあった。

参考人招致に先立ち、理事者から制度導入について説明を受けた。森近悦治県教育長は、制度は中学、高校の校長会などをメンバーとする高校入試制度改革検討会や県内の市町教育長会議などで検討した上で、昨年10月の県教育委員会で決定・公表したと説明。「長年の課題であった(英語の)話す力を伸ばしていく大事な時期であり、(加点)制度で(生徒の)意識を高めたい」と理解を求めた。理事者は、県内各中学校の校長への調査では肯定的に受け止められているとした。

斉藤委員長は、委員による教員や保護者からの聞き取り調査では「加点を肯定する意見はなかった」とし、県教委の調査との違いを指摘した。

英検加算措置は高校入試で、英語の試験(100点満点)とは別に点数を加える制度。県教委は3級に5点、準2級に10点、2級以上に15点を加えるとしている。

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