加熱式たばこ、3社激突「東京決戦」の行方 アイコス独走、JT、BATは追いつけるのか

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ニコチンを含むが、副流煙が出ない「アイコス」。愛煙家の反応はさまざまだ(記者撮影)

ついにたばこメーカー3社のガチンコ勝負が始まった。6月29日、日本たばこ産業(JT)は、加熱式たばこ「プルーム・テック」を都内で販売開始。まずは銀座と新宿の専門店で販売し、7月10日から都内6区に拡大、年内には都内全域に広げる計画だ。

ブリティッシュ・アメリカン・タバコ・ジャパン(BAT)も仙台で「グロー」を試験販売していたが、7月3日から販路を東京、大阪、宮城全域に拡大する。

全国販売中のフィリップ モリス ジャパン(PMI)の「アイコス」と合わせ3社は本格的な販売競争に突入する。

たばこ市場は縮小の一途

加熱式たばこは専用端末にカートリッジ(スティックやカプセル)を差し込む。ライターやマッチの火を使わず、吸っても水蒸気が出るだけで煙は出ない。有害物質が少なくにおいが抑制されるのも特徴だ。

加熱式たばこを吸える場所も増えそうだ。3社は「紙巻きたばこは禁止だが加熱式はOK」であることを示すステッカーを共同で製作し、6月末以降、飲食店や自治体に配布している。

たばこ市場は縮小の一途をたどる。1996年度のピーク時に3483億本だった販売数量は、2016年度には半分以下の1680億本に激減。そんな中、各社は加熱式たばこに活路を見いだしている。

先頭を走るのは、2016年4月に全国展開を始めたアイコス。市場を加熱式たばこに置き換えるべく、紙巻きたばこに近い味と形状を実現した。端末の販売台数は300万を突破し、今年4月には国内たばこ市場の10%を占める(販売数量ベース)までに成長した。

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