日本にも「社員の才能引き出す」職場が必要だ 日本企業に必要な「働き方改革」とは?

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カリフォルニアの大学生時代に友人と起業したレヴィ氏。もともとコンシューマー向けサービスだったのを、ビジネス向けに転換して他社との差別化を図った(撮影:尾形 文繁)
弱冠31歳にして、売上高4億ドル(約450億円)のグローバル企業を率いる、アーロン・レヴィCEOは、機関銃のように話す。足元をお気に入りの「オニツカタイガー」のスニーカーできめた若き起業家は、自社のことだけでなく、ハイテク業界の未来についてもあふれるほどの意見やアイデアを持っているようだ。
カリフォルニア大学の寮で、クラウドストレージ企業Box(ボックス)を友人のマーサー・アイランドCFOと創業してから12年。コンシューマー向けだったサービスをビジネス向けにシフトし、2年前には株式上場も果たした。レヴィCEOは長らく、ボックスを活用することで人々の働き方が変わると提唱してきた。「天才」とも呼ばれる起業家が作ったサービスで、日本人の働き方が変わる日もくるのだろうか。

現状維持に満足しない企業文化が必要

――2015年1月に上場したことで、ビジネスや会社の雰囲気はどう変わりましたか。

ビジネス向けにサービスを提供しているボックスにとって上場の最大のメリットは、われわれの財務情報を公開するようになったことだろう。これによって、顧客や投資家からより信頼を得られるようになった。

多くのスタートアップ企業は上場するのを好まないが、少なくともわれわれの社員や顧客にはメリットがあった。今、シリコンバレーで上場を目指す企業が減っているが、これは働いている人たちにとってはチャレンジングな状況で、会社がどういうエグジットを目指すのかわかりにくい。

一方、われわれにとっての課題は、スタートアップのカルチャーを維持しながら、どうやって上場会社として運営していくか。上場企業になっても、俊敏でイノベーティブかつディスラプティブ(破壊的)な企業でありたい。

――で、どうやって維持しているのですか?

まさにどうしたらいいか考え中だ。現状維持に満足するのではなく、今のビジネスモデルをどう超えるか、それを考えられる企業カルチャーを維持しなければならない。大事なのは、リスクを取ることで罰せられるのではなく、リスクを取ることが安全だと思えるようなカルチャーを作ることだ。

目下、ぼくが直面しているいちばんの課題、そして、多くの時間を費やしているのが、カルチャーの構築だ。維持するというよりは、どうしたらもっと良くできるかを考えている。

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