日本にも「社員の才能引き出す」職場が必要だ 日本企業に必要な「働き方改革」とは?

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――シリコンバレーでは優秀な人材の争奪戦が激しいそうですね。

オニツカタイガーは履きやすい点がお気に入りで、何度もリピート買いしている(撮影:尾形 文繁)

グーグルやフェイスブック、アップルなどすばらしい会社が多い中で、よい人材を獲得する競争は確かに激しい。だが、ボックスはまだそこまで大きくないので、ここで働けば大きなインパクトを与えられるという利点がある。

ボックスが面白いのは、われわれは最終ユーザーである消費者のためにソフトを開発しているが、顧客は企業だという点。つまり、消費者向けの製品を手掛ける一方で、企業が抱える問題の解決にも取り組むことができる。企業が抱える問題は時に、より大きくて複雑だけにチャレンジのしがいがある。

――シリコンバレーの企業は、なぜ上場に消極的なのでしょうか。

上場企業になると、今は数社かもしれない投資家の数が何千、何万に増えて、その人たちとやり取りしなければならないし、自分の会社の株価も日々明らかになる。これはある意味、ストレスフルなことだ。しかし、すべての会社はどこかのタイミングで「その時」を考えないといけない。もちろん、上場に向かない会社もある。見通しが立たないビジネスや、持続可能なビジネスモデルのない会社は上場しないほうがいい。

仕事のスピードが格段に増す

――上場してから2年ほどでボックスを囲む環境はどう変わりましたか。

5年ほど前までは、われわれはほとんどの時間を、クラウドはビジネスにも使えるほど信頼性の高いプラットフォームだと説明するのに費やしていた。が、今の焦点は企業がクラウドを利用することによってすべての業務をどう変えられるかに移っている。

日本でもコマツやJFEスチール、第一三共などがボックスを利用して働き方を変えようとしている。単にファイルストレージを利用して文書などをシェアするといったことだけではなく、根本的な仕事のプロセスを変えようという取り組みにボックスを利用しているわけだ。こうした動きは過去2年くらいで加速している。

――レヴィさんは、ボックスを利用することによって多くの人の働き方を変えることができると提唱してきました。実際、ボックスを導入した企業の働き方はどう変わっていますか。

最もわかりやすいのはビジネスのスピードが向上しているという点だろう。製品開発や実際の製造プロセス、広告キャンペーンのローンチ、営業まで実行期間のスピードが上がっている。

つまり、ボックスを利用している仕事においては、作業時間が減っているわけだ。ある企業では、かつて数週間、数カ月かかっていたような作業が、情報を簡単に共有したり、広げたりできるようになったことで、数時間で終わるといった例も出ている。

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