「ルールづくり先行」の働き方改革にモノ申す ほぼ日とカヤックはそれをなるべく作らない

✎ 1 ✎ 2
拡大
縮小
なぜルールをつくらない、性善説マネジメントが成立するのか?
「人事がマネジメントしようと考える時点で違いますよね」
画一的ルールづくりが先行する働き方改革に対する疑問を投げたところ、面白法人カヤックとほぼ日から返ってきたのは「ルールをつくらない」など、一見すると、人事の仕事放棄とも思える姿勢だった。はたして、そのような無法地帯で、どのように組織は成立しているのか。拡大する組織の中で、なぜルールをつくらない、性善説マネジメントが成立するのか。

前編:現場にいない人事部が社員の才能を飼い殺す(2017年7月6日配信)

どうやって一体感をつくっているのか?

横石 崇(以下、横石):お2人の話を聞いていると、「一体感をつくる」というのがひとつのキーワードだと思いました。ほぼ日もカヤックも、個の才能を持ち合わせた人たちが集まって、ある種、動物園みたいなところもあるかと思うんですが、どうやって一体感をつくっているのでしょうか?

篠田 真貴子(以下、篠田):そこは毎回試行錯誤なんですけど、ほぼ日で大きいのは毎週1回全員が集まって糸井の話を聞く「水曜ミーティング」です。糸井がその1週間で考えてきたことを毎週しゃべるんです。

この連載の一覧はこちら

横石:毎週というのは話すほうも聞くほうも大変そうです。水曜ミーティングはずっと続けられてるんですか?

篠田:ずっと継続しています。録音もしていて文字起こしをしたものを、全員に共有しています。来られない人向けに中継もしています。

横石:糸井さんはどのくらいの時間、お話しされてるんですか?

篠田:毎回1〜2時間くらいです。「今日は短いですけど」と言った日に限って長かったりして(笑)。ほぼ日では、個々の企画においてそれぞれが自由に発想をして、自分のイニシアティブで進めていますが、それができるのは水曜ミーティングで毎週、社員一人ひとりの基本OSのアップデートを実施しているようなものだからだと思うんです。

横石:カヤックは一体感をどうつくっているんですか?

次ページアイデアが出てこないのは…
関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【浪人で人生変わった】30歳から東大受験・浪人で逆転合格!その壮絶半生から得た学び
【浪人で人生変わった】30歳から東大受験・浪人で逆転合格!その壮絶半生から得た学び
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT