子どもを褒めない親は「見る目」がなさすぎる どんな子もやる気になる「目から鱗の褒め方」

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どのように褒めればいいのでしょうか(写真:よっし / PIXTA)

あなたは子どもを「褒めて」育てていますか? 「よく言われる話だな」と思った方もいるかもしれませんが、ではどれだけ効果があるのか、具体的にどうやって褒めるのか、ぱっと答えられるでしょうか。言うのは簡単、だけど意外とできないのが「褒めて育てる」なのです。

この記事では長年小学校の教師として多くの子どもたちと向き合ってきた経験などから、その効果と、具体的な「褒め方」について事例を踏まえながらご紹介したいと思います。

子どもを褒めるコツ

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田中さん(仮名)は、自宅の習字教室で、自分の娘も含めて、多くの子どもたちに習字を教えています。でも、以前は習いに来る子どもの数も少なく、経済的に厳しい状態が続いていました。あるとき、私の講演を聞いて、子どもを褒めるコツについて開眼したそうです。そのコツとは「まず褒める。部分を褒める」の2つです。

それまでは、子どもたちの作品を見て、すぐに「もっとここはしっかり止めなきゃダメでしょ」などと言っていました。頭ではもっと褒めたほうがいいとわかってはいたのですが、どう褒めていいかわからなくて、ついマイナス面を指摘してしまうことが多かったのです。開眼してからは、「左払いがとてもきれいに書けたね。すごくいい感じ」などと、とにかくよくできた部分をまず先に褒めるようにしました。どうしても指摘したいことがあるときは、褒められる部分をいくつか褒めた後で1つくらい指摘するそうです。

そうするうち、子どもたちとの関係が非常によくなり、やめる子は減り、新たに習いに来る子が増えました。また、自分の娘との関係もよくなったそうです。もちろん、子どもたちは楽しそうに習字を習い、上達もしています。田中さんは、「この褒め方は単純にして効果抜群。これで人生が変わった」とまで言っています。

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