新社長が前任社長を否定する会社は崩壊する

否定の悪循環が止まらなくなってしまう

前任者を否定すると「前任者否定の悪循環」が始まる(写真:JIRI / PIXTA)

6月末は3月決算企業の株主総会が集中する時期です。サラリーマン社長の交代は、特別の事情が発生しないかぎり、任期によって普通に行われます。1期2年か、2期4年か、あるいは数期続くのかは別として、株主総会で承認されて最終的に決定されます。

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その後、内定した新社長は、記者会見を行います。そこでどのような発言をするかは、まことに興味深いものがあります。当然「身を引き締めて、なお一層、会社の発展のために尽力をしたい」と言う。しかし、その後のひと言が、それからの会社全体の盛衰にかかわることを理解している新社長は少ないように思います。なにを言うか。大きく分けて2つの種類があるように思います。

前任者を否定するか、肯定するか

1つ目は「私が新しい社長になる以上は、これからは今までのことにとらわれず、私なりのやり方、考え方で経営をやります」。いわば、前任者を否定するコメント。2つ目は「いままでの経営理念、前社長の考え方を踏まえつつ、さらに私の考えを加えて、経営に取り組んでいきたい」。いわば、前任者を肯定するコメントです。

もちろん、どちらが好ましいコメントかは、それぞれの会社の事情、交代の事情によりますが、通常であれば、2つ目のコメントが好ましいと私は思っています。

とりわけ、2代目の社長は大企業といわず、中小企業といわず、非常に重要だと思います。江戸時代がおよそ260年続いたのは、2代目秀忠が「創業者」の家康を「ご神君」と位置づけたことでしょう。創業者を否定しなかった。歴代の将軍の賢さは「ご神君家康公の権威」を活用したこと。それが、江戸時代が260年間つづいた1つの要因であったろうと思います。

キリスト教でも同じことで、事ある毎に「イエス・キリスト様は、こう言われた」「バイブルにはこのように書かれている」と言い続けていますから、2000年経っても、原点、出発点は変わらず、今も大いに盛んだといえると思います。仏教も、僧侶たちが「お釈迦さまは、こうおっしゃっています」「そういうことはこのお経に、このような教えがあります」などと人々に説教します。

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