SNS対策?若者が「透明グッズ」にハマる理由 「盛る」風潮の後にやってきたブーム

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そう話すMさんは、従来の柄付き傘やビニール傘との違いとして、ただ雨風をしのぐだけではないプラスアルファを挙げた。それは透明でシンプルな模様であるゆえに「傘で覆われた自分すら魅せるアイテム」になりうるということだ。

せっかくこだわって考えた雨の日のファッションも、普通の傘だと隠れてしまう。だからといって、ただのビニール傘だと安っぽくてダサい。しかし透明傘を使うことで自分のコーデを隠さず、むしろアクセサリーのように生かして、トータルコーディネートすることができるのだという。また、透明傘のシンプルでおしゃれな模様がまるで写真加工フィルターのような役割を果たし、「品のある雰囲気」を暗に周囲に醸し出すことができる、とも考えている。

このようにして透明グッズを駆使して、自分を表現したい、他人と差別化したい若者が増えてきているのである。

そのときの自分の気分に合わせて

<事例2>透明バッグはもはや「マイショーケース」?

美容の専門学校に通うMさんは、普段から有名インスタグラマーの投稿をチェックし、気になったものは積極的に購入するという感度の高い女子。

そんな彼女が目をつけたのが、やはり透明グッズだ。持っているのは①Ziplocのバッグ ②Aquviiのジップバッグ ③HIGH(er) magazine の透明な首かけ。

とにかく人と持ち物が被ることが嫌いなMさん。

そこで①Ziplocのバッグを購入し(1500円)、バッグ本体が透明なのを生かし、中身で個性を出すようにしたそうだ。

②Aquviiのジップバッグ(3000円)は、某有名インスタグラマーが使っている様子を投稿していて、気になって購入したそうだ。大容量かつ素材もしっかりしているため、普段からよく使うという。

③HIGH(er) magazine の透明な首かけ(500円)はHIGH(er) magazineのイベントで購入したもの。Mさんの友達でも使っている人は多く、そのことからも幅広いニーズがうかがえる。

これらのグッズはTPOに加え、そのときの自分の気分に合わせて中身を変えることができる。Mさんは透明グッズは自分の個性を表現でき、気分が上がるので、遊びに行くときはよく持ち歩くそうだ。

Mさんは透明バッグを「マイショーケース」と考えている。人に見せることが前提で中身の色合いやレイアウトを考えるのだそうだ。たとえば、海に行くとき、実際には使わないサングラスを透明バッグに入れることで、より「海感」を演出したりする。

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