「食べる油」の真実をどれだけ知っていますか この蘊蓄100章は思わず人に話したくなる

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80. 紅花油はかつてリノール酸を多く含むオメガ6系だったが、現在はオレイン酸が多くなるように品種改良された「ハイオレイックタイプ」の紅花油が多く生産されている

81. 2014年には、ミランダ・カーなどセレブたちが火付け役となってココナッツオイルブームが起こる

82. ココナッツオイルはココヤシの実から採れるオイルで飽和脂肪酸のひとつ。約60%の中鎖脂肪酸を含有する

83. 中鎖脂肪酸はヤシ科植物や母乳に含まれる天然成分。摂取後直接肝臓に運ばれ、一般的な油に含まれる長鎖脂肪酸に比べ4~5倍速く分解され短時間でエネルギーになる

84. MCTオイルは100%中鎖脂肪酸でできているオイル。MCTはMedium Chain Triglyceride(=中鎖脂肪酸)の略

85. ココナッツオイルの主成分「ラウリル酸」には抗菌作用、抗酸化作用があるといわれている

86. 新たに注目されているオメガ7のパルミトレイン酸は皮膚などの細胞再生を促す脂肪酸

87. オメガ7系のオイルとして、マカダミアナッツオイル、シーバックソーンオイルなど

88. シーバックソーンオイルはモンゴルなどで採れるスーパーフルーツのオイル。パルミトレイン酸含有率約35%

89. 中国では山茶の実から作られる茶油(ティーオイル)が不老長寿の油として親しまれてきた

90. 不飽和脂肪酸は酸化しやすいため注意が必要

酸化した油脂を摂取すると…

91. 酸化した油脂には過酸化脂質という有害物質が生じる。過酸化脂質は体内に入ると活性酸素となり、細胞の老化を早め、さまざまな病気の原因になるともいわれる

92. 油脂はできるだけ新しいものを買い求め、開封後は早めに使い切ることが勧められる

93. 油は光や熱により酸化しやすいため日光や蛍光灯などの光を避け、暗くて涼しい場所に保管する

94. 油を流しや下水道に捨てるのは禁物

95. 一部の自治体では使用済オイルを回収し、バイオディーゼル燃料へのリサイクル活動を行っている団体も

96. 揚げ物調理中、油の匂いで気分が悪くなる「油酔い」の現象が生じることがある。これは加熱により「アクロレイン」という物質が発生しているため

米国では2018年より食品添加が全面禁止となるトランス脂肪酸(撮影:吉野純治)

97. トランス脂肪酸はマーガリン、ショートニングなどの加工油脂、200℃以上の高温で処理した食用植物油などに含まれる

98. マーガリンは、19世紀後半のフランスでバター不足を補う代用品をナポレオン3世が募集したことで誕生した

99. トランス脂肪酸を摂取し続けると体内で活性酸素が大量に発生し、心筋梗塞などの冠動脈性心疾患の可能も高まる

100. 米国では2018年よりトランス脂肪酸の食品添加が全面禁止となる

(文:森谷美香/モノ・マガジン2017年7月16日号より転載)

参考文献・HP/『知識ゼロからの健康オイル』(幻冬舎)、『あなたを生かす油ダメにする油』(KADOKAWA)、『なぜ「油」をかえると、長生きできるのか』(三笠書房)、ホームページ〈日清オイリオ〉、〈日本植物油協会〉 ほか関連サイト
モノ・マガジン編集部

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