澤田社長、「ファミドンキをぜひ実現したい」 ファミリーマートが次々と提携を広げる理由

拡大
縮小

――ローソンがレジロボやRFID(電子タグ)の実験を行っている。こうしたイノベーション競争は過熱していくのか。

競争というよりも、変わらないと生き残れない。ローソンやセブンと競争しているつもりはない。お客様に寄り添って、加盟店の皆さんの負担を減らして幸せになっていかないと、コンビニという業態が続かない。今回の提携もそういうところを意識した。

新しい分野は自前だけでやっていくには不十分。人材もそこまで育っていない。しかし、ITを活用した業務改革は待ったなしの状況だ。米アマゾンが高級スーパー、ホールフーズ・マーケットの買収に動いたのは、強烈なメッセージ。日本は本当にのんびりしている。激しくアクセルを踏まないと、5年先に生き残れるかわからない。

「将来、24時間営業はなくなるかもしれない」

――ユニー・ファミリーマートHDとドンキホーテHDが業務提携に向けた検討を開始した。コンビニとドンキがどのように協業していくのか。

澤田貴司(さわだ たかし)/1957年生まれ。1981年伊藤忠商事入社。1998年にファーストリテイリング副社長。2005年に企業経営支援会社リヴァンプを設立。2016年9月から現職(撮影:風間仁一郎)

いろいろな分野でできる。ただ、検討が始まったにすぎず、何かを言える段階ではない。ドンキの店作りは面白い。チェーンストア理論を度外視して27期連続で増収増益を果たしている。われわれも謙虚に学ばなくてはいけないところがいっぱいある。

――たとえばファミマとドンキがコラボレーションして「ファミドンキ」のような業態を出す可能性はあるのか。

ファミドンキ……、ぜひやりたい。コンビニだけど、めちゃくちゃなお店。でも弁当も売っているなんて面白いと思う。期待してほしい。

――セブンの古屋一樹社長は4月に東洋経済が行ったインタビューで「24時間営業をやめるつもりはない」と明言した。ファミマとして24時間営業を見直す考えはあるのか。

業界内でのコンセンサスは必要だ。ただ、(24時間営業を見直す)研究はしなきゃいけない。たとえば、ファミリーレストラン大手のロイヤルホストは24時間営業をやめて、売上高も利益も上がったと聞く。まだ答えは出せていないが、長い目で見ると24時間営業はなくてもいいのかもしれない。

――セブンはファミマの牙城ともいえる沖縄に2019年度までに進出することを表明した。

大いに結構だと思う。競争原理が働いていいのではないか。

又吉 龍吾 東洋経済 記者

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

またよし りゅうご / Ryugo Matayoshi

2011年4月に東洋経済新報社入社。これまで小売り(主にコンビニ)、外食、自動車などの業界を担当。現在は統括編集部で企業記事の編集に従事する傍ら、外食業界(主に回転ずし)を担当。趣味はスポーツ観戦(野球、プロレス、ボートレース)と将棋。

この著者の記事一覧はこちら
関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT